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少年法は緩くもなく、心神喪失も刑の免除があるから、緩い訳でもない。

実際の法実務を知らないと、緩い、と安易に語ってしまうように思う。実際には、そんな簡単な話でもない。
それぞれの周囲環境を考察し、それぞれの状況に合わせて、法を適用しているのであって、比較して少年法が緩い、と言えるほど単純なものでは無い。少年法(昭和二十三年七月十五日法律第百六十八号) より、

 第一章 総則

(この法律の目的)
第一条  この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO168.html

例えば、刑法で裁かれ、執行猶予がつくような罪を犯したとしよう。少年だったが故に、少年法の適用になり、少年法によって裁かれたとする。少年法には刑法の執行猶予はないので、少年院送致は執行猶予されることは無い。要するに、法設計上の内容が違う。
なお、少年法上の措置には、保護観察等もあるが、これと執行猶予を比べれば、執行猶予の方が「緩い」と言えるのではないか。何れにせよ、それぞれが違うものであり、違う法設計の基で運用される、違う条件の法である、と言った方が良い。
なお、刑法上の話としては「心神喪失」も、刑を課しても、刑を理解できないので、刑執行から免れている、と安易に語られることがあるが、心神喪失者の場合、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」という法律がある。
この法律上での医療入院の方が、刑法上の課される刑よりもきつい状況と、私は感じているが、どう考えますか?