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乙嫁語り、7巻は姉妹妻の話。

あまり、大きく筋には触れていませんが、記事を読むのは該当作品を読んでからの方が良いと思います。なかなか考えさせられるので、お勧めですよ。

姉妹妻という風習は知りませんでした。
イスラムでの結婚の場合で印象的なのは、あまり夫以外の人間に素顔をさらさない、という習慣と、重婚が時に許されている、という事ですね。この巻には両方とも出てきます。
いわゆる姉妹妻とは、女同士の親友みたいなものなのでしょうか。イスラムのニュアンスが良く分からないので、どんな意味を持つのかは、巻の描写だけでは分かりません。ただ、アニスとシーリーンの間には、何らかの絆があったのでしょう。
この巻の物語では、そこに留まらず、シーリーンの窮状に対して、大きな行動に出たアニスの物語が描かれます。
元々、イスラムの重婚制度は、経済的な困窮に至った女性の親族を擁護する、という意味合いも持った部分がありますので、その意味では、まさしく正当な意味での重婚の開始が描かれた作品、と言えるかもしれません。まあ、第一夫人が次の夫人を招くような事態は、なかなか来るものでは無いと思いますけど。
ところで、イスラムの重婚は、それぞれの妻を平等に取り扱う事を条件に認められている、とあります。
ここの部分、何気に重要で、非常に重大な示唆を含んでいると思いますよ。
イスラムで重婚が許されている、というと、うらやましがる人が時に居ますが、私は非常に過酷なものだと思います。女性同士の嫉妬というか、それぞれの対抗意識って、重婚が制度化された世界でも、普通に存在すると思うので、婚姻の世界に、それが発生する可能性がある場合は、とても神経を使うと思います。
私は三角関係という状態は、あまり経験が無いのですが、実は短い期間と言う形では経験があります*1。私自身が招いたというよりは、相手側の一方的な求愛めいたものでしたけど。片方を説得して、収束させるのがとても苦労した覚えがあります*2
ところで、今回、アニスは自分の意志で、相互に嫉妬は発生しない、という意味で、シーリーンを新たに自分の夫に紹介した訳ですが、年月が経った後、その関係は平穏で居続ける事が出来るのでしょうか。ちょっと心配です。
女性同士の友情も、そして、夫との関係も、年月による変遷を免れるものでは無いと思いますので。
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*1:驚く人も居るかもしれませんが、私のような、あまりモテない人でも、稀にはあるのですよ。それが恋愛の不思議な処です。

*2:私は、そういう関係の継続は望まない主義。いわゆる、浮気なんかも否定的です。多分、する機会はないと思いますけど。現在に至るも、独り暮らしですし。