判決文の長文引用などがあって、一般文章とは違う、法律文章に慣れていない方には、この判決っていったいどんな事を言っているの? と、分からなくなってしまった人も居るかもしれません。
今日の記事では判決文の内容を箇条書きにして、再確認を行ってみます。判決文の引用はしませんが、総て判決文に書かれていますので、時間のある時に 判例紹介 - 平成25(ネ)752 平成26年4月24日名古屋高裁判決 「認知症者による事故に関する賠償請求事件」 (1) - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック 判例紹介 - 平成25(ネ)752 平成26年4月24日名古屋高裁判決 「認知症者による事故に関する賠償請求事件」 (2) - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック を、良く読み直してください。
1. 認知症者Cの監督義務
(1) Cの妻、Aは該当する。
(2) Cの長男、Bは該当しない。
2. 監督義務上の過失*1
(1) Aの過失はある。(具体的には、事務所出入り口のセンサーの電源断)
3. 民法709条に基づく損害賠償責任
(1) A、および、Bの妻、Tには、民法709条に基づく賠償責任はない。
4. 鉄道会社の安全確保義務違反
(1) 安全確保義務違反は無かった。
5. 損害賠償額の査定
判例分析(付記) - 平成25(ネ)752 平成26年4月24日名古屋高裁判決 「認知症者による事故に関する賠償請求事件」 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック に挙げた興味深い考察により、請求額の半額となっている。
関連条文
民法 より、
第五章 不法行為
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。(責任能力)
第七百十二条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。第七百十三条 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。
(責任無能力者の監督義務者等の責任)
第七百十四条 前二条*2の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。(損害賠償の方法及び過失相殺)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html
第七百二十二条 (省略)
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。