luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

見たくないのか、見えなくされているのか。生きにくい世の中で、ノーカウントとされているもの。

もう少し注目されても良いのではないか、と思ったので紹介しておく。
竹信三恵子 「家事労働ハラスメント-生きづらさの根にあるもの」 - うさうさメモ という記事。
家事*1が見えない振りをされている事、そして、対となる男性も過去の像に囚われて、現実が見えていない事。
これ、そこかしこで目撃する話の割には、何故か見事なほどに議論の場に上がってこない。本当に見えない振りをされているような話題だったり。
私は一人暮らしのせいか、普通に家事はする*2ので、こういう行為をする時間って馬鹿に出来ないものを感じているのですが、こういう行為をノーカウントにしてしまうような思考はあって。
先日も、twitter 上で、「女子社員のお茶くみがかつてあって。でも、それは実は外注すればコストが掛かると話題になるけど、元々社員がやってた場合には、もっとコストが掛かってた筈なのに、何故か話題にされないよね。」という内容で、類似の話題があった。
結局のところ、男性の側に仕事に埋没して、そういう事に気づかないでいると、そういう行為に触れずに、見えない化が進行してしまうように思う。実際には、そういう要因があって女性の社会進出がなかなか出来ない、というのは気づいている層は確実にあるのに、意思決定をする層になかなか浸透しないでいるのは、問題の肝心な点に言及せず、問題を解決しようとするような奇妙さを感じる。
意識してそれに触れないのなら悪だし、意識できないでいるなら愚かだと思うのだが。
こういう内容は、他にも考察はあって、例えば 英紙が大特集 日本の女性はなぜ「キャリアか家庭か」の選択を迫られるのか?*3 とか。実際には何故か意識されていない、女性に課せられる家事と育児の内容が、女性のキャリアの放棄に繋がっている事実が書かれている。基本的に、問題の存在は分かっているのだとは思うが、何故か真剣に論じられていない。
女性のキャリアと言えば、逆に女性の妊娠に関して、マタハラとも言うべき、松たか子妊娠「最大の稼ぎ時に大きな損失」と関係者肩落とす - BIGLOBEニュース の記事もあった*4。類似の話で、正社員登用から半年で妊娠… 「無責任」との批判に「何年目ならいいんだ?」の反論 という記事もある。
そういう問題を放置し、何の対策もしないお蔭で、日本は少子化が進行し、女性の地位向上もままならない状態が続いているのだが。


紹介のために、最後の節を引用して結びとする。特に周囲に影響力のある男性等は、真剣に考えていってほしい*5

女性の労働力は「活用」したい、しかし女は「家を守る」存在のままでいさせたい、現代の日本社会に存在するアンビバレンスを覆い隠そうとする「女性が輝く」みたいなキラキラワード。女性がいろいろなことにチャレンジすることを持ち上げる(○○ジョなど)風潮の裏にある、何かを始めても「仕事か家庭(子ども)か」などの選択を迫られて足を取られる現状。これらに息苦しさを感じている方が本書をお読みになれば、非常に共感できると思います。また、女性の「仕事と家事の両立」を他人ごとだと感じている男性にも是非一読していただきたい本です。決して、「家事をしない男が悪い!」と非難するような内容ではありません。男性もまた、人生を捧げるような働き方で奪われているものがあると、気づくきっかけになるかもしれません。

http://d.hatena.ne.jp/usausa1975/20141130/p1

*1:ちなみに触れられていないが、介護も類似の構造を持つ。

*2:というか、しなくてはならない(苦笑)。でも、一人でなくても、遠距離通勤でもない限り、普通に手伝うと思うけどね。

*3:元記事は Japanese women still have to choose between career or family - Telegraph です。

*4:実際には 松たか子の妊娠発表のタイミングは絶妙で誰にも優しいものだった - NAVER まとめ の記事もあるのに...。

*5:女性は思っていても、表面に出せない。実際、会社のキャリアにも関係する話だから。