luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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社会心理学からの提言。ステレオタイプの克服には、対象との接触行為がカギ。

多様な場合があり、一つの解決策が総ての例に当てはまる訳ではない。が、偏見の克服には、対象を良く知り、自己の偏見が間違っていたと認識し、かつ、その思考を止めようとする強い意志が必要となる。
元々、ステレオタイプの思考は、その対象を良く知らないが、その対象を認知し、識別するために、それをカテゴリー化し、特定概念の固定的な枠にあてはめてしまう事から起こる*1
そして、ステレオタイプはいったん生じると脱することが難しいとされる。それを偏見で誤りであると意識していないと、普段の生活で、無意識的、自動的に強化される*2。また、偏見と意識しても、リバウンド効果*3があるので、それを偏見と打ち消すためには強い継続的な意志が必要だ。
故に、偏見の打開への一つの施策として、偏見のある集団との共同作業が提唱されている。ただ、同じ場所で過ごしただけでは、リバウンド効果や、自動的な認知強化が起きるだけで、下手をすると、偏見がさらに強化されかねない。
故に、互いに協力し合えるような行為を、注意深く行うような施策が必要となる。現実に、ボスニアでの UNHCR での活動など、実績もある。

*1:内集団が外集団に対して行う。帰属する集団の中での少数派か、完全に集団外が対象となる。対象となる事項に、固定的な枠とは別の例が出現しても、それは間違った認知とは扱われず、例外と見做され、偏見の解消になる事は少ない。

*2:内集団びいきは自然に生じる。偏見に無自覚な状態では、起きた現状から偏見に見合う例のみが記憶されるという確証バイアスによる認知が起きる。

*3:偏見と意識した場合、その認知が実例と出会った時に強く想起されるため、その時に偏見を打ち消すことを意識していないと、偏見が逆に強化されてしまう事。