luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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陽だまりの彼女、観かえしての楽しみ。

ネタバレしてます。未見の方は、観た後で。

何度も観ても、結構楽しいのが、この映画。実は、あれから何度も観てます。これでいったい何度目でしょう...。
二度目に観るときには、主人公が「真緒の時間を無駄にした」と言った時に、主人公の実感と、真緒の実感が実はズレている事に気が付く。真緒は猫だから、実はほぼ寿命に達してから再会している訳で、多分、駆け落ちの件も主人公よりも必死ではあったのだろうなあ、と考える。
マンションに抱っこされて到着する際にも、主人公は無邪気に楽しんでいるんだろうけど、真緒の「昔より体重は減ったかな...」とぼそっと言っている台詞に、気づいてしまう自分が居る。
最初のデートの際には、職場の上司に目撃されているのですけど、猫屋敷の主というか、多分、人間にする際にお願いした謎の人物と会話している訳で、多分、不安な心情とか何かの会話をしていたんでしょうね...。
真緒にとっては、夢だった二人での暮らしの毎日が、多分、自分の最期の日々を数える日々だったはずで、新婚旅行を夢見るが果たせず、自分の正体を明かせぬまま、力入った朝食を作って、多分、最期のキスと覚悟して、キスをねだり、姿を消す...と*1
主人公が、自分の子供時代の記憶に気づかなかったら、自分が救った猫の最初の出会いの場所に行って、再会を果たす事も出来なかったかも...。既にあの時点では、職場の上司には真緒の記憶は存在していなかったわけですが、その前に主人公に、真緒の猫時代のお守りを渡していて、それが主人公と、真緒の猫時代の記憶に繋がった、というのはなかなか感慨深かったですね...。
最初の中学時代の、主人公に対する真緒の自己紹介も、自分を救ったというエピソードに気づくと、そういう事か*2、と気が付くし、学生の時に助けてくれた、という話に、実は浜で自分を助けていたんだよ、という意味が重なっていた、というのも、気づくと、じわじわ来るんですよね。


この映画、猫好きな人が観たら、色々楽しいんじゃないかな、と思います。
真緒がやたらと猫舌だったり、学生時代に陽のあたる教室で、やたらと気持ちよさそうだったり、何気にジャングルジムから軽々と飛び降りていたり*3、吊るされた飾りを、猫じゃらしみたいにツンツンしてみたり...。
水槽の魚は美味しそう、だし*4


二度目は、ラストに二度目の生を受けた真緒が主人公の前に現れるのは分かっている*5ので、最後まで安心して観ていられるのも良いです。
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*1:よく、動物って自分の最期には姿を消す、というイメージがあるので、何となく、それを連想してしまいました。

*2:自分を救った相手に挨拶しに行っている...。

*3:しゅう君を助けたのもそうですが、あの行動はまさに猫。描写は無いけど、猫なら直前に姿勢変えて安全に着地した筈。

*4:実際、金魚のブライアンは食べてますし...。

*5:その前に保護してくれた養父母に猫の姿で、挨拶に行ってますね。養父母が主人公とぶつかった時に、案外、主人公にも記憶の片鱗を思い出しているかもしれない。存在が復活しているのなら、ある程度の記憶は復活していてもおかしくないし...。