luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

認知の壁を乗り越えるのに必要なのは、たった一つ。自分を違う視点で見つめ直すための勇気だが...。

他人は、あなたではない。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック の派生問題かもしれない話。
自分と他人の違いを知る。認知の壁を乗り越える。モスキート音編。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック で、

要は、自分が認識している内容と、他人が認識している内容は常にどこかでずれる。だから、それを意識して行動しましょう、という事*1。

http://d.hatena.ne.jp/luckdragon2009/20140608/1402225752

と書きましたが、そこで書いた「認識のズレ」を意識するためには、どうしたらいいか。
これは、素直に相手を見つめ、自分を見つめ、そこから逃げない。ただ、それだけなんですが、...実は案外難しい。
何故かと言うと、人にはプライドがあるからです。相手を蔑む視点があると、自分の観察や、記憶が実は誤りかも知れない、偽記憶かも知れない、という事になかなか気づけない。
例えば、自分が地位が高くなり、そこの部署の指導的な立場になると、相手の指摘が自分の指示誤り、言動誤りに起因するものだという事が、なかなか認識できなくなる。特に誰からも文句や注意をされない立場、逆に周囲に説教しても通常に許される立場であると、相手に説教して当たり前だという意識が生まれ、謙虚に自分の誤りを認めることが出来なくなり、自己認知能力の低下という事態を招く。
さらに耳の痛い話をすれば、その立場にあっても、能力の不足と言うものはあって、「ダニング・クルーガー効果(Dunning-Kruger effect)」が起きている場合もあります。
http://ogasawara.cocolog-nifty.com/ogasawara_blog/2011/06/dunning-kruger-.html より。

1. 無能な人々は、自分のスキルのレベルを過大評価する傾向がある。
2. 無能な人々は、他者が持っているスキルを正しく認識できない。
3. 無能な人々は、自分の無能さがどれほどのものかを認識できない。
4. こうした人々も、本質的にスキルが向上するような訓練を施されれば、それまでのスキル不足に気づき、それを認めることができる。

http://ogasawara.cocolog-nifty.com/ogasawara_blog/2011/06/dunning-kruger-.html

こうした、自分にとっての厳しい内容は、「自分に知らない事があるかもしれない」「他人の指摘が当たっているかもしれない。」という視点が無ければ、気づけない内容です。


実は、世の中の目ざとい管理職と言うのは、この事を良く分かっているので、それを防ぐために色々手を打っているモノです。自分を過信していないし、時には部下の意見の方が正しいと思えば、それを認める勇気を持っています。
心理的なバランスを保つのは難しいと思いますけどね。


先日も、傍目で観察していて、とても面白い事例に出くわしました。
指導的な立場に居る人が、相手の認識の誤りを指摘しているのですが、横目で聞いていて、その時に言っていなかった内容を挙げ、「○▽については言っていたでしょ」と発言していたのです。
私は、それを聴きながら、「ああ、それを言ってしまっては...、相手は立場上言い返さないけど、内心のあなたの姿が大きく欠損しましたよ。」と思っていました。
相手に正確な記憶があれば、そう言われたことを忘れないでしょうし、正確な記憶が無くても、何かしら理不尽な事を言われている、という記憶が残ります。それが今後に影を落とさないわけがない...。
ちなみに、これへの解決方法は『「言った、言わない」に堕ちてしまうような曖昧な物言いはせずに、手間を厭わず文書にまとめるなり、丁寧な説明を心がけるなり、を行う。』ですが、これを出来るのであれば、上記の問題はそもそも発生しないんですよね...。
どれだけ相手に対して謙虚になり、相互コミュニケーションが、「お互い様のものであるか」を意識するか、という事ですが、これを出来ているのは案外多くはないです。


...自戒を込めて。