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多くの無期雇用契約者は、有期雇用契約者の苦悩を知らない。

無邪気に、無期雇用契約*1が特定部署の有期雇用契約者、派遣労働者が安易に辞めてしまって困っている、と話していた。
私はその脇で、それは雇用契約者よりも使用者に原因があるんじゃないのかなあ、と思っていた。
ちなみに、有期雇用契約とは何か。本来は『期間の定めのある雇用契約の本来の趣旨は「雇用契約期間が終了すると、労働者が退職する自由」を保障するというものです。事業主の退職させる自由を保障するものでもありません。』です*2
私は多くの、有期雇用契約者の困難の実態を知っている。だから、辞めてしまうのが本人の意志とも限らず、それ故に、本人の気まぐれとも言えない事を知っている。
例えば、有期契約雇用者の多くはパワハラ、セクハラがあっても実態を語らない。何故なら、問題化させたとたんに、雇い止めが発生するのを経験上、嫌と言うほど知っているから。
だから、その職場にパワハラが横行しているのであるなら、何も言わずに気まぐれを装って辞めるでしょう。その実態を理由として辞めても、派遣元の営業に嫌われて、良い派遣先が見つからなくなるのも嫌だし、派遣先の企業へは既に記載した理由から、言えない。
多くの正社員でも、パワハラ、セクハラの相談は自己の地位喪失のリスクをはらむ。有期雇用契約者に於いては、もっとリスクは大きい。だから、そういった実態の分からない、短期で辞めてしまう部署が発生したりする。
そんな実態を、私は色々聞いて知っている。だから、無邪気な正社員の、まるで派遣労働者に責任を負わせるような、冒頭の発言を肯定できませんでした。
なお、派遣労働者が契約を切られる際に、多くの人が想像する「能力の不足」「勤務環境への不適切」のような労働者側に責任のある原因は大きな割合を占めない。単純に売り上げが上がらなくて費用を切り詰めるとか、正社員のちょっとした不満*3とか、下手をすると、自己の保身のための他派遣労働者の告げ口めいた誹謗などで、契約停止に至ってしまう事も多い。
正社員の多くの人が思うほど、派遣労働者って気楽な稼業ではありませんよ。本音は、ほぼ語ってくれませんけどね...。

関連リンク
無期雇用労働者を増やすはずの「改正労働契約法」がなぜ「5年有期雇い止め促進法」になってしまうのか

*1:俗にいう正社員。

*2:参照 u—LŠúŒÙ—pŒ_–ñv‚p•‚` @

*3:その中には、派遣社員の趣味的なものが気にくわない、などの無体なものも、結構ある。