luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

今の時代の日本人が権威主義的なのも、多数の患者が IC に馴染まず、パターナリズムに流れる理由。

医療は患者の視点では、まだまだ魔法に見えるのだ。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック の続き。
2013-10-18 のコメント欄では、医師側の視点では、近藤医師の話術にはそんなに効果はないよ、という意見の傾向が見られるように思いますが、多くの患者の傾向はそうではないと思います。
「インフォームド・コンセント(IC)」とは言われますが、結構な数の患者にとって、医師の権威でパターナリズムに沿った意見を言ってくれた方が良い、という傾向がある*1のではないでしょうか。


知り合いが、面白い社会心理学上の実験を試みたことがあります。あまり n数は大きくないのですが、医療上の正しい意見を「医師として」告げるケースと、「医師と名乗らずに」告げるケース、として分けて、どう肯定されたのかを実験*2しました。
あまり真面目な実験ではなく、n数も少ないので断言は危険ですが、後者は正しい事を言っているのに、肯定的に捉えてくれなかったそうです。
そういう結果を見ると、今の日本は権威主義的で、医師の威光が効きやすい状況であり、上記のコメント欄で言われているほど、医師の威光は弱くないのでは、と思います。
なお、この心理傾向は アドルノF尺度 にありますが、「アドルノF尺度」というスケールで測ることができ、これは今の日本人には強いようです。
この内容は、間違うことの恐怖 - Togetter でも出てきます。興味深いのは、それが日本人の永続的な傾向ではなく、最近に発生した傾向なのかも知れない、という処*3です。


もしかしたら、日本人も「権威主義」「同調圧力の強さ」から、脱することが可能なのかもしれません。ぜひ、そうなって欲しいですね。パターナリズムは嫌いです。

*1:ちなみに、私は違います。間違うことの恐怖 - Togetter でも意見表明していますが。

*2:倫理的な問題があって、医療上の正しくない意見の告知は行わず、また、この実験自体が「試み」であり、本格的なものではありません。

*3:コメント欄あたりを読んでください。