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luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

ブラック企業かどうか? 明確な情報公開へ道を。

文藝春秋の記事を読んだ。...この号で、今野氏は、ユニクロに対して弁護団を組織し、攻勢をかけることを示唆し、証言者を求めている。


もし、下記の内容が正しければ、該当企業は「従来の方針を変更し、著者に狙いを定めた*1」と言うことになる。

今野晴貴 ‏@konno_haruki

柳井氏は、文春新書の『ブラック企業』によって名誉を棄損されたと主張しながら、大手出版社である文芸春秋者社には何もいわず、「社会的に力のない一著者」だけを狙い撃ちにして、脅しの文章を送りつけてきた。単なる大学院生の私に、億万長者の柳井氏の弁護団から「脅し」が届いたことは、極めて滑稽

https://twitter.com/konno_haruki/status/343926279877324800

従来の方針とは、過去の訴訟。


株式会社文藝春秋に対する訴訟について | FAST RETAILING CO., LTD. より。

当社は、6月3日、株式会社文藝春秋に対し、同社発行の週刊誌「週刊文春」並びに書籍「ユニクロ帝国の光と影」における記述が、当社および当社子会社が運営するカジュアルウェアブランドの「ユニクロ」の社会的評価・信用を不当に貶めるものとし、書籍の発行差し止めと回収、謝罪広告及び損害賠償を求め、東京地方裁判所に訴訟を提起いたしました。

http://www.fastretailing.com/jp/ir/news/1106031500.html

上記は「株式会社文藝春秋の発行する記事、ないし、書籍」に対して、「発行差し止め、回収」「謝罪広告、および損害賠償」を求めた、同社のプレスリリースである*2


該当の著作が回収された話は聞かないので、まだ、この裁判は係争中と思われるが、訴訟の結果が報道されていないこともあって、状況は良く分からない。
東京地裁に閲覧に行ったわけでもないので、実は結審して判決も出ているかもしれない*3が、何れにせよ、報道機関は何も報道せず、奇妙な沈黙を感じるほどの情報の無さは、この事についての報道の無さを示唆している。
有名企業についての名誉毀損とも思われる著作、並びに記事であれば、もう少し裁判の後追い記事があっても良さそうなのだが、私の検索技術が稚拙なのか、ネットでは関連記事を見出すことが出来なかった。
ただ、関連の記事を探す中で、該当企業に対して、東洋経済での記事が見つかった。 ユニクロ離職率は異例の高水準 - ライブドアニュース という記事である。

ユニクロは今回、本誌の取材に対してそのデータを初めて開示した。07年新卒入社社員の37.9%が入社3年内に離職している。以下同様に、08年入社46.3%、09年入社53.0%、10年入社47.4%、11年入社が2年間で41.6%である。09年入社では5割を超えており、これは同業の中でもかなりの高率だ(下図)。

それと歩調を合わせるように、ユニクロ店舗ではうつ病など精神疾患にかかる社員が続出している。12年8月期にはユニクロの店舗正社員における休業者のうち、42.9%がうつ病などの精神疾患となっている。産休・育休の取得者と同率で、店舗正社員全体の約3%が精神疾患で休職している計算になるとい う。

http://news.livedoor.com/article/detail/7464206/

また、該当会社は メンタルヘルス対策・EAP - 「ユニクロ」上司暴行で2審も賠償命令−名古屋高裁 にて記事になっているように、上司の暴行により賠償命令を受けている。


これら記事を確認する限り、同社はそれなりの問題を抱えていると思われる。...また、私も、周囲の関係業界の話を聞く限りにおいて、問題を抱えていると言う話を聞いている。
私は人の噂については真偽を確認するすべを持たないことから、ここで取り上げることはしない。が、現状でも問題指摘の記事、書籍はあるのであるから、そういった問題が隠蔽されることなく、公開の場で議論されることを望みたい。


一般的な顧客を持つ企業が、色々な噂、記事、書籍に関して神経質になる気持ちは分かる。業績に直接関係するかもしれない話題であるからだ。しかし、それに対して、議論を封じ、証拠を隠してしまうことは良策とはいえない。
ちゃんと情報を公開し、訴訟と言う、時には関係する話題に蓋をしてしまう手段をとるのではなく、自由な言論の場での、公開された証拠検証の場を設けて欲しい。それが、社会に貢献する企業の、とるべき姿であろう。


企業には理想的な姿だけがあるわけではなく、見せたくない姿もある。そういった内容も総て公開し、総合的な眼で企業を判断してもらうことが、企業の社会的な責務も考察した、企業の行動指針のように思う。

*1:記事中にも同様の記載あり。

*2:なお、著者の書籍についての内容については、世界にはユニクロ以外の「答え」がある 労働者の視点も忘れるな~『ユニクロ帝国の光と影』著者・横田増生氏に聞く~ : J-CAST会社ウォッチ の記事を読むことが出来る。

*3:もし、そうなら回収されていないので、裁判命令は下っていないことになるが、ちょっと状況は不明。