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相手を評価する際の、重要な視点(注意点)

まずは、[コンサルタントの道具箱] から。p.187 より。

相手が奇妙な行動をとっていたら、たぶん奇妙なものに反応しているのだ。それはたぶん自分である。

これは、直接対峙しているとき、または、相手が自分類似の相手に対峙しているときに、有効な視点である。...ただし、これには例外がある。それは後で述べる。
相手の言葉が、奇妙に感じられるときがある。または、相手の言葉が、あまりに一つの言葉に偏っているように見えるときがある。
その時に重要なのは、相手の言葉の意味を考えるのも大切だが、対峙している自分の姿を鏡に映してみる事。
鏡に映った自分に「何か」を発見し、それが相手に反応を引き起こすことが推測される*1なら、相手の奇妙な行動が、「自分の奇妙な行動から誘発された」可能性が大きい。
相手に対して挑発的になり、拳を振り上げているのであれば、対峙している相手が防衛的になり、感情的になるのは当然の事。それを防ぐためには、姿勢を正し、努めて静かな言葉で話す以外にない。
相手が情緒的な言葉で話しているのであれば、なおさら、そうする必要がある。どうしても相手が感情的な行動から脱する事ができない場合には、事態をその時点では解決できないとして、一時休止するか、その場で解決しなくても良い内容であれば、棚上げにしてしまう、という手もある。


もし、自分の姿に本当に何も発見できないときは、予告した例外事項について考える必要があるかもしれない。...それは、本人の中にある問題である。
自分の姿に触発されない、相手の奇妙な内容が示すものは、自分が知らずにいる、相手の内面を映している場合がある。
相手が言及している内容に関して、相手自身が何らかのこだわりがあったり、強い思い入れがある場合には、周囲の状況に係らず、相手が言及したい内容が表面に出る場合がある。相手から意味不明な回答が返って来たり、言っていない内容の言及がある場合、それは「相手が言いたいこと」である場合が多い。
それを確認するためには、「私は○△については言及していないのだけど、それを言うのはどうしてですか?」と穏やかに聞いてみるのが良い。相手が、自分自身の内面に向き合えない場合もあるが、通常の精神状態であれば、それを説明してくれるであろう。そうすれば、相手を理解し、無駄な諍いを発生させずに済む。


ここら辺は、基本的なコミュニケーション・スキルなので、ごく自然に行動できるようにしておいた方が良いと思う。
また、上記の内容が通じないような、基礎的なコミュニケーションが齟齬をきたすような相手だったら、対峙する必要があるのか、考えた方が良い*2かもしれない。


また、相手との議論の際に、何か変だ、と思ったら、[ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)] に載っている「チェックポイント(1) 定義の誤解・失敗はないか」等を思い出してみるのが良いかも知れない。これ、かなりの確度で的中していることが多いです。


他にも色々なチェックポイント*3はありますが、ひとまず最初のチェックとしては、そんな処だと思います。
...そもそも、その最初の内容すら守れていない議論が非常に多いので。

参考書籍
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*1:そこで、その事実に気付けることも重要だが。「それに気付けた。」という事は、冷静になっている事や、自己を客観視できていることを意味する。

*2:基本的なコミュニケーションが成り立たない相手との、交流の必要性は、あまりないと思う。

*3:言葉足らず、背景説明足らずが問題を発生させる「隠れた前提」や、相手が自説を認めさせたいだけの場合の「強弁・詭弁の見分け方」など。