luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

自殺を防げたのは、方法が合っていたからではなく、結果論に過ぎません。

...実は、かなり違和感があった、下記の内容。



...何というのか、別に「命は大切」とか、言ってもいいですよ。「祝福」だって、言ってもいいです。
なぜかと言うと、本人が自分を「風で吹き飛ぶ空虚な存在」と思っているときには、そういう言葉が心に届いて、暖かい気持ちになるから。...それで死ぬのを思いとどまる人もいます。実際、私もそうなった時があって、効果はあった。
その次の言葉と繋がっていなくて、この発言全体が意味不明になっている。まあ、道徳を押し付けがちになる、という点は同意します。


でね。一つ言っておきたいのは、自殺というのは個人の問題なんだから、原因や経過は無数のパターンがあって、これだ、というものがない。それ故に、防止側は互いに干渉しない程度に、色々な事を言わなければならない、という事。それほどまでに、防止する手立てがないし、対処法自体が確立しているとは言い難いものなんですよ。
うつ病が原因になるものに関して言えば、ほとんど防止が不可能だと思えるほどであるし、投薬の変化の影響とか考えたら、快方に向かっているときに起きがちな事を考えれば、精神科医が苦悩するほどに、考察が難しい問題*1です。


また、それ以外の原因だって、基本的に個人の思考に依存するから、その考え、悩みを知ることなしに、解決方法を示すことは出来ない。
病気の悩みに、安易に治療法を示唆してあげることは出来ないし、経済的な悩みだって簡単に解決してあげることは出来ない。これらは、二大原因とされているけど、そういう発生原因に手が打てないから、そんなに安易に「防げる」という方法はない。
よく、昔流行のペンションのオーナーの自分語りで、そういうケースを防いだ、と語るケースを聞いたが、その人は該当者がその後、本当に再度の自殺で命を落としていないか、確認したのだろうか? 自傷は繰り返す場合があるのに。
誓って言うが、確認していないと思います。本当に確実に防止する方法があり、それを習得しているのなら、この自殺が蔓延している日本で、「適切な手法」として取り入れられないはずがないから*2


自殺しようとする人は、誰かに止めてもらおうとする。調査結果では、確かにそういう結果は出ています。*3
でも、その兆候は千差万別で、防げた人は、その兆候と、兆候への対処が偶然にも合致したに過ぎない。気付かれなかったら、そのまま自殺に進んでしまうだろうし、兆候に対する対処が適切でなくても同様。
そう簡単に対応できないのは、三万人という自殺者の結果を見ても明らかだと思う。


今、一つだけ言っておきたいのは、自殺を防ぐ方法なんてのはなく、防げたケースも対処が合っていた、結果論の話に過ぎない、という事。過去、私はその境遇から救われたが、違う原因の何かが作用したら、次にどうなるかは、私にも言えない。


自殺を防げるかどうかは分からないが、人間同士、相手への思いやりを持ち、相手を理解しようとすること、これが大切で、副次的に、自殺を防止することがあるかもしれない、という事は言える。逆を言うと、冷たい一言や、仕打ちは、相手を死の淵に追いやることがあるのは、覚えておくべきだと思う。

関連サイト(悩んだときのために)
自殺対策支援センターライフリンク
http://www.befrienders-jpn.org/

*1:それ故に、安易な精神科医叩きをしている勢力は、私は嫌い。勿論、安易な投薬をしている人がいたら、そっちも嫌いだが。

*2:それがない、という事は確実な方法ではない、という証明にもなる。

*3:参考『自殺の危機経路』p.29