luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

多分、思考が麻痺してしまうのでしょう。ブラック企業が存続する事について。

ブラック企業大賞』は、ブラック企業賞の公式サイト*1かな。
ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式! | ビジネスジャーナル』に、今回の賞の内容に関する、記事もある。
あ、最初に断っておくが、最初のノミネート企業に東電を入れたのは、焦点がぼけてしまうように思う。勿論、東電の労働環境にブラック企業系の問題がないとは思わないが*2、何か他の企業と比べて、ちょっと違う感があると思う。
なお、これはいわゆるネタ系の賞とも違い、厳しい労働環境下の指摘と思っている。その意味でも、東電が入っているのは何か変な感じだ。おまけに、結果発表で、大賞になっているし...。


...という奇妙な点は、ひとまず置いて。
やはり、ノミネートされた企業は、対象者が精神疾患発症していたり、自殺していたり、と大変に深刻な状況である。また、残業時間も凄まじいものがある。ほとんど、殺人的*3と言ってもいいくらいだ。
こういう状況を見るに、やはり過労死ライン越え*4をどう考えるか、ちゃんと人材の疲弊を真剣に考えているか、そこで企業がどう考えているかが分かれるように思う。...諦めてしまっているか、それとも、ちゃんと収束させようとしているか、に分かれる*5ということです。
実際、残業が恒常化して、その感覚が麻痺している人は、その残業の時間で、自分の生活時間が消えてしまっていること、その時間を自己研鑽や、家族のこと、そして趣味のこと、に使えるはずだ、という事を何故か考えないようにしていますよね。
まるで、それが最初からないかのように。自分の人生なのに。
まあ、そういう追加時間のはずの残業時間に対する感覚が麻痺しまっていること、それがブラック企業を存続させてしまっている一因*6になっているかと思う。
実際、一回指摘されたはずの企業で、その行為を修正する、と発表したものの、あいも変わらずに同じ事を繰り返している企業*7、従業員が対策しようとしても嫌がらせをしている企業を見ていると、そもそも労基法を守る意志がないのではないか、と思える状態である。
特にウェザーニュース社は、『(2ページ目)ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式! | ビジネスジャーナル』を参照すると...。

だがしかし、この和解成立の直後、同社の社員が労働環境に不安を覚え、労働組合を結成したが、会社側からひどい目に遭っているという。「今日はその組合員が会場に来ています」と司会者が説明し、ガタイのいい2人の白人男性が壇上に上がった。そして、そのうちの一人がこう語った。

「11年1月に私たちは労働組合を立ち上げました。過労自殺があった後も、社内ではまったく労働管理が改善されませんでした。その中で会社のCEO(最高経営責任者)から一言だけコメントがありました。それは『出来事は一瞬にして終わる。全て過去のことなので、また明日に向かって仕事をしていこう』というものでした」

 さらに「労働組合を結成してから、実は、委員長が解雇されています。私の給料は17%以上、削減されています。今、まだ社内に残っている労働組合員は隔離された状態です。具体的には、400平方メートルのスペースに私たち2人だけが隔離されて、仕事も全て取り上げられています。会社の同僚は、私たちと話をしなくなりました。組合とかかわると会社から報復されるのではないか、と心配しています。さらに今年8月終わりに、私たち2人は異動させられると会社に言われています。ですが、異動先の部署名も仕事の内容もまだ何も決まっていません。きっと今以上に隔離するための戦略なのだと思います」とも語った、

http://biz-journal.jp/2012/08/post_526_2.html

昔、セガでも似たような事があったように記憶しているのですが、ウェザーニュース社でも同様*8のようだ。
ウェザーニュース社がそういう会社だったのは、あまり知らなかったので、驚いている。また、ブログパーツでも利用させてもらっていたので、ちょっと嫌な汗が出た。
私はワタミ系は、実は企業姿勢に問題ありとして利用していないのだが、これを機にブログパーツも変更することにした。
この件については、少し無知だったのだなあ、と思う。そういう企業だとは思っていなかったので。まあ、格好良い風に見えても、企業風土が駄目な会社というのはあるのだなあ、と気付かされた。まあ、セガもそうだったわけだが...。


ブラック企業が変わるか、対象企業が苦境に陥って、新企業の世代交代が行われるかどうか、については、実際の業務に関する、残業の恒常化に感覚を麻痺せずに、それが異常な状態と認識した上で、その企業に協力しないとか、製品をフェアトレードの精神で使わないかとか、考えて行動していかなければ、状況を変化させられないと思う。
その企業自身は、多分従業員の犠牲の上に、企業としてのアドバンテージを得ている。また、容易に企業の姿勢を変えない。
それを考えると、該当企業のサービスを使わずに、協力もしない、という選択をして、他企業に営業成績の首位を明け渡す状態に持っていかない*9と、世代交代もままならないように思う。


ところで、下に記載した書籍を読んでいたら、企業のそういった企業体質を変えようとする動きは既にあるようだ。
少子高齢化や、労働人口の変化がそういった行動の変化を促すかも、と考えていたので、読んで嬉しい驚きがあった。...そういう方向の行動には協力していきたいと思う。
見かけたら、図書館等でもよいので、読んでみてください。

参考書籍
[]

*1:ブログ形式のようだけど。

*2:下請けの労働環境の悪さ、などはあると思う。ただ、ここに並べるのは違和感あり。

*3:実際に、自殺で亡くなってしまっているのですが...。

*4:ちなみに、注意勧告ラインは、一か月残業 45時間からですからね。このラインを忘れて、「うちは正常」と言っている人がたまに居て、驚くけど。 45時間というと、一日二時間程度の残業が恒常化している、という事ですからね。元々、残業が習慣化する事が問題なので、そこに気付いていない人は、勤務正常化の感覚が、基本的に麻痺していると思っている。

*5:実際、残業管理をきっちりしている会社は、従業員の健康管理などもきっちりしていますね。そういう企業を経験したことのない人は、あまり聴く耳、持たないけど。そういう意味では、適切な労働経験って大切。

*6:酷い人だと、自社のブラック企業的要素を自慢したりする。自虐かも知れないが、それは自身がうつ病になったり、体調を崩したりすることを意味するのですからね。まあ、そういう人は自滅してもらっても構わないので、あまり相手にしませんが。それで病気になっても自業自得だと思うので...。

*7:ブラック企業大賞』だと、すかいらーく。記事より、「ところが、2007年10月、すかいらーくの契約店長だった前沢隆之さん(当時32歳)が過労死で亡くなった。前回の過労死で再発防止を約束したにもかかわらず、またもや過労死を出したのである。店長を1年雇用の有期契約として非正規化し、雇用の不安定化と低賃金に置いたうえに長時間労働を押しつけるという悪らつなやり方も浮き彫りになった。」

*8:...というか、こういうのは遵法的に言って良くないように思うのだが...。

*9:不評が、営業成績の悪化に繋がるとなれば、企業も行動の方針変更を考える可能性が出てくるし。