luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

うるさい主張者の傍らで、ひそやかに息を引き取っていく存在がいることを覚えておいて。

Twitter や、マスコミ、雑誌、テレビ、そして、日常の会話。
よく「声の大きな」として評されるが、いわゆる主張の強い、元気な人は注目されがち、です。


でも、実際に「居なくなっていく人々」は対照的に静かです。
生活保護申請者に「体売れ」 窓口で断られ凍死、餓死、自殺 不正受給は0・4% これが生活保護の実態だ - Everyone says I love you !』より。

今年1月、札幌市白石区のマンションの一室で、遺体で発見された40代の姉妹は、生活保護申請が認められず窮乏を極めて亡くなった。姉の佐野湖末枝さん (42歳)は失業中で昨年末に病死(脳内血腫)しており、知的障害のある妹の恵さん(40歳)は姉の死後に凍死したとみられている。料金滞納で電気・ガス も止められ、冷蔵庫の中は空っぽだった。

http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/f16cf8d62a2995d9a6f2606a2651f449

サイトには他の例も載っているが、こういう事例を「自分は無縁だ」と、笑っていられるだろうか。


実際、困窮した人がなくなっていく場合は、困窮した最後のメッセージを逃して、という事になると思う。
苦しく生きてきた人は、最期に叫び声をあげる力もない可能性がある。大きく騒ぎ、世間の注目を浴びている迷惑な人々は、そういった静かな声を打ち消しているかもしれない、という二重の意味で、世の中の迷惑な存在になっていると思う。
文中、「姉の死後に凍死したとみられている。」と記載されているということは、推測されるだけで、実際にそうなったかどうか、誰も目撃していない、という事になるわけだ。
人の孤独死、もしくは自殺者の発見は、その人の最期を見守る人が誰もいなかった、という事を意味します。...とても悲しいことであるのと同時に、真に困窮した人は、そういった気付かれない死を迎えている、という示唆を与えてくれます。
実際、『生活保護受給者と直接かかわる福祉事務所の“お役所仕事”どころではない日常 | 生活保護のリアル みわよしこ | ダイヤモンド・オンライン』などを読むと、ケースワーカーは非常に大変な仕事であるようですし、人員が豊富でもないと思います。そして、こういった関係者以外の人は、日常会話で一時話題にしても、継続的に社会のフォローを実際にしているわけではない。つまりは、事態の状況などを知っているわけではない、と思います。


ちなみに。...それが悪いこと、と言いたいわけではない。人は、自分の生活に手一杯であるから、私はそれが悪い、と言いたいわけではない。
そうではなく、居なくなっていく人、世の中から退場していく人は、そういった風に視界から去っていくのだと、その現実を述べておきたいだけだ。
解決方法も安易に提示できないと思うので、今エントリーで、それに触れるのは止めておくが、そういう現実があるということです。社会の周囲からこぼれ落ちていく、というのは、そういう状況なのだと思う。


そういう事態に、心を留めておきたいから、黙ってしまった人の声に耳をすませたい*1

関連リンク
生活保護申請者に「体売れ」 窓口で断られ凍死、餓死、自殺 不正受給は0・4% これが生活保護の実態だ - Everyone says I love you !
餓死・孤立死が頻発する現在の日本で、生活保護制度を改悪してもよいのか? | 生活保護のリアル みわよしこ | ダイヤモンド・オンライン

生活保護受給者と直接かかわる福祉事務所の“お役所仕事”どころではない日常 | 生活保護のリアル みわよしこ | ダイヤモンド・オンライン

*1:少し、余談ではあるが、気になっているので。 twitter や togetter で声高に、デマを飛ばす人なんかは相手にせずに、被災地の生きる糧となろうと考えている、福島のエートスの皆さんにも、リアルな支援をお願いしようと思う。