luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

匿名ブログと、守秘事項、そして、ごんぎつねの逸話に思うこと、あり。

「ごんぎつね」を知らない方には『http://www2.saga-ed.jp/edq12801/hiranoHP/hirano-el/gongitune.html』を。
読んだら、ここに戻ってきてくださいね...。


さて、ラストのここ、下記に示しますが。

「ごん、おまい(おまえ)だったのか、いつも、くりをくれたのは。」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
 兵十は、ひなわじゅうをばたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました。

http://www2.saga-ed.jp/edq12801/hiranoHP/hirano-el/gongitune.html

...ここを読んで、匿名であることの意味の、「守秘事項を絡めた大切なこと」を思い出しました。
というのは、身近で、こういう話を聞いたからです。


宮城県石巻市の被災財の理解に心を砕き、人への正確な情報の提供を行い、現地のボランティアの支援まで行った人。しかし、最近、同地出身の人*1の無理解の注進から失職し、失意の自殺未遂をして入院中。」
「相手の無理解を諌め、丹念に情報を整理し、情報の提供を行っていた、とあるブロガーが倒れ、この世を去った。...しかし、彼の過去の真摯な活動を、彼が行ったもの、と知る者はほとんどいない。」


当然ながら、本ブログも匿名であるし、守秘を貫いているので、私自身のリアル社会での実体が、このブログに繋がることは無い。
また、被災地支援や、色々な情報提供、ボランティア活動の支援にも動いたが、特に、それが私自身のリアルな評価に繋がるか、というと、それは違うでしょうね。
下手をすれば、私自身、リアル社会では誤解も多い性格ではあるから、上記で書いたようなエピソードや、皮肉にも「ごんぎつね」のようなラスト*2が待っていないとも限らない。


これは匿名である事、実社会で、活動を実名で行っているわけではないこと、そして、世の中の人々が、「身近な人の総ての要素を知っているわけではない」こと、から起きえる。
丹念に考察しなければ、なかなか理解は難しいが、こういう無知ゆえの「混雑した電車内での誰かの足を踏む行為」というのは、「世の中を知っている」という考えに溺れれば、起きがちなんではないかと思う。


世の中の、「公平世界仮説」については、『資料 - 公平世界仮説について - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック』で挙げたけど、そういう神話に酔って、相手の心の相違、「人の見えない部分の無理解」に心を砕かないと、『じぶんが「ごんぎつね」のラストを引き起こしてしまう』事は、しっかり覚えていたいと思った。
また、自身が、そういう状態になり得る可能性がある、という事も。


匿名ブログを続けるということは、守秘を引き換えにして、「実績も実体に結び付けない。」という事でもある。
道の傍らで倒れても、「人の心の思い出にしか、残らないのかも。」という事は覚悟しておかなければならないのかも。


...結構、悲しい一面の事実*3ではあるが。

関連リンク
http://www2.saga-ed.jp/edq12801/hiranoHP/hirano-el/gongitune.html

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*1:その人は、彼の秘めたる活動を知らない。

*2:上記に挙げた、最初の逸話なんて、これで入院した相手が亡くなれば、そのまま、同じラストになる。

*3:他者の無理解というのは、属人特性があり、特定の立場で、相手のことを考えていなくてもよい、特定の立場の人間に顕著ではあるし、そういう人間に近寄らなれば起きない事ではある。しかし、「実社会で付き合う人を自由に選べるわけではない」し。