luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

クリスマス・イヴに、一期一会を想って。

去年も似たような事を書いた気がする。
でも、今年は紹介するものが違うし、違う印象を持つかもね*1
今年、紹介するのは、去年亡くなった、佐野洋子さんの著作。
連載|Culture|madame FIGARO.jp(フィガロジャポン)』なんかを読むと、なかなかに楽しい人だったようですね。人を生きようとして、晩年の「がん」に対峙するのも、「がん闘病記」なんてものは嫌いだ、と。
紹介する本にもありますが、

死を前にして佐野さんの言葉も、まなざしもどんどん澄んでいく。それでいて、ちっともしめっぽくないのである。
<私は闘病記が大嫌いだ。それからガンと壮絶な闘いをする人も大嫌いだ。
ガリガリに痩せて、現場で死ぬなら本望という人も大嫌いである>。

http://column.madamefigaro.jp/culture/iihon/post-767.html

...何か、こういう人、好きです。
何か、理屈っぽくて、何ていうのかな、結局理屈に振り回されて、本人の実像に迫っていない人っているんですよ。いわゆる、他人を許容できない人。
人間なのだから、実は案外不正確なこともあって、間違うし、正しいことを言わないこともある。私自身は、人を評価するときに、人の誤り自体は許容することにしている。人の無謬性を究極として追及*2するなんてのは御免だ。
でも、何か、やたらと観察記みたいに、メモまでとって、人を批評しちゃう人っているんですよね。私は、そういう人は大嫌いです。自分の記憶をたどれば、人は誤りを犯すのは当たり前だと分かるはずなのに、他人を批判するときだけは、それを忘れるような人*3
私は、相手を批判するときにも、時に許容できるものもあるはずだと考えていますが、まあ、そういう人は考えないんでしょうね...。
ま、嫌いなタイプの人のことをいうのは、それくらいにして、佐野さんのことに戻ります。

この時、佐野さんは68歳。余命2年の告知を受け、自宅療養していた。
 病院で告知されたその足で、ブリティッシュグリーンのジャガーを買いにいく。

http://column.madamefigaro.jp/culture/iihon/post-767.html

こういうところも良いですよね。
何か、「自分のために」生きている感じがする。自分の大切なものを求める気持ちを、大切に想っている感じ。こういう、生きていこう、自分の心を見つめて、生きていこう、というのは大切で、色々見習いたいなあ、と思った。
自分自身は論理的に考えて、色々生きていこうかと思うけど、それを後ろから眺めれば、何気に論理的ではないことをしている可能性もある。でも、それ自身も含めて、それは自分自身です。そういうところを忘れずに、これからも、そう長くはない生涯を暮らしていきたいです。
自分の心を失いそうになったときには、そういった言葉を、自分の心に落としておきたい。
今日は、そんな佐野洋子さん関連の書籍の紹介でした。

関連リンク
連載|Culture|madame FIGARO.jp(フィガロジャポン)

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*1:今年も、何気に話題が猫がらみなのは、個人的趣味のせいかな。

*2:そもそも、本人には他人に見えていないものもあるから、人の行為を評することはできても、心には立ち入れない部分がある。それに気づけない人は軽蔑する。

*3:まあ、元々、それはダブルスタンダードだから、それを考えればよいとは思いますけどね。他人に厳しくなってしまうのも、人の犯す過ちだから、そういう点にも、心を留めておきたいと思います。