luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

功と罪あり、しかし良き道あり(ICT利用の患者支援)。

なぜ保健医療看護分野でICT(情報通信技術)なのか。: 看護情報学大学院生のブログ』を読んでの感想。

それは具体的に言うと、こういうことです。例えば人が病気になったとき、患者さんやその家族はインターネットをはじめとするICTを使うことで、今までは得られなかったような様々な情報を得て、仲間とつながって、医療者とコミュニケーションをとりながらより良い療養生活を送ることができます。障害を持つ人も、ICTを使うことで様々な情報が得やすくなって、そのことで学習の機会や就労の機会を広げることが出来ます。

また、情報を得るばかりでなく、社会にモノを言いにくかった人、意思疎通が難しかった人がICTを利用することで、自分の思いを伝えたり、何かを表現したりすることができる可能性があるのです。

http://nursing-informatics.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/ictinformatio-1.html

私が、過去に似た思想として出会ったのは、下記の書籍。
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ユニバーサル・デザインが万人のためのデザインとして、誤解された妙な位置づけに見られている事も多い中、実際には総ての人が何らかの形であれ、自己の何処かに問題を持つ*1、という視点から物事を捉え、社会として、各人が各人のやり方で参加できる社会を形作っていこう。そして、その事で相互の問題を解決していこう、という取り組みを、各章で取り上げていく書籍でした。
内容は ICT*2 に限られているわけではありませんが、社会的な解決方法、技術的な解決方法、色々な解決施策が、対象となる人間を中心に語られます。
どんな人間*3でも社会に参加できる、そして、そういう社会を形成することが、回りまわって、現在何の不足もない人が、高齢化などに伴って、何らかの問題を抱えたときにも優しい社会になる、という語りかけは、とても心に残る主張です。また、その事を心に留めておくと、人生、前向きに明るく生きていくことができる*4ように思います。
書籍でも取り上げているのですが、実際には色々と難しい問題はあり、例えば、現実には一般の人と同じ技量を持ち、同じ成果を上げているにも関わらず、就職等で差別されたりしている現実があります。
また、ICT、例えばインターネット利用の情報交換を考えても、誤った悪意ある情報が流布されている現実を考えれば、功罪半ば、光と暗闇、どちらも存在することが分かると思います。


しかし、明確な意志で、「未来を今よりも良くしていく」という行動を行っていけば、それは厳しい現実をも、いつかは解決するような方向性を秘めていると思います。
...ゆっくりでも、確実な一歩一歩で。

関連書籍
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*1:完全無欠な人間はいない。また、加齢や、人生を重ねての自己上の問題発生により。

*2:ICT としての例では、P.86 からの内容で、アメリカの事例紹介が多いですが、頁が割かれています。

*3:書籍中では、障害以外にも、精神病等で社会参加が難しい立場にいる人々も登場します。ペースメーカーを埋め込んだ人が、外見から気づかれずに、障害を持つ人に、「障害者の気持ちは、おまえらには分からない。」と言われてしまうエピソードが、少し哀しい。P.13 掲載。ちなみに、私の負い目(自己の障害)も、外見上からは分からない。

*4:どのような境遇に至ろうとも、留まろうと努力する限り排除に走らない社会が、いかに安心できるかは、あまり説明は要らないのではないか。