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最後の恋のはじめ方 〜それなりに幸せ、ではなく〜

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元々、アメリカの封切り時には、物凄い評判が良かった*1ようですね。
日本での評はあまり良くないものも多いようだけど。


(以降、ネタばれあるかも...。)
まあ、主人公のカップルのきっかけは非常に自然な感じで始まっている*2ので、あまり盛り上がらない、というのも分かる気がする。
しかし、ヒロイン自身も、元々デート・コンサルタントの言う「今は仕事が...」の台詞*3を話し、編集長に「仕事中毒*4」と言われている訳で、その後、某エリス島への申し出を受けた、社内の雰囲気を見ても、ラストまでに繋がるストーリーで、「今までの不遇な異性との出会いから、新しい価値観を見いだした。」と言えるのかもしれない。


まあ、主人公のストーリーを追うより、彼がサポートしているアルバート*5と、アレグラのストーリーが、彼が極度の緊張魔*6なので、そっちがハラハラするお陰で、そっちが心配で、目が離せないので、主人公達の冷静さを補う感じで、とても良かった。
後、アメリカで受けた理由の一つに、最初のデートのエリス島が、移民の国アメリカにとって、非常に重要な意味を持つ象徴だったのもあるかも知れない。何せ、ニューヨークは、9-11 のあの事件で、象徴的なビルを失った出来事があった訳で、そういった情景こそ登場しないが、この映画にはニューヨークの色々な街の情景が登場する。そういう背景*7も、アメリカでの評判の良さには、あるのかも知れないですね。


ストーリーに戻るけど、結局、最後にアルバートに与えていたアドバイスが、実はあまり役立ってなかった事が、アレグラの台詞で判明する。彼らは、ごく普通に、自然に惹かれあった訳で、これが最後に、アルバートからの台詞で最後に突き付けられる。


「臆病者は俺ではなく君だった。」と*8


ラストの告白シーンは、まあ見ての通り、かなりボロボロになりながらの会話な訳だが、まさに、「最後の恋のはじめ方」なのではないか、と思う。素の自分を見せての告白。
勿論、感情に走って失敗する事は多い。だが、それが相手に届けば、それが最後まで続く、恋となる。


エンドロールに繋がるラストの結婚式のダンスは、元々アルバートが得意だと言っていて、主人公に止められていたダンスで、それを配する事によって、「真摯に行動し、素で告白する事が大切だ*9。」を象徴しているのかもしれない*10

*1:http://eisei.livedoor.biz/archives/14264748.html』を参照。

*2:でも、この会話自体はラストシーンに繋がる重要な台詞が登場するので、きっちり覚えていた方が良いと思うが...。

*3:主人公との出会いのバーのシーンでも、類似の台詞を言っている。

*4:恋愛自体は、それに固執しなければ、仕事と普通に両立するものだとは思う。編集長が言っているのは、多分、そんなニュアンス。

*5:実はアドバイスは、ほとんど役に立っていなかった事が、後で判明する訳だが。

*6:だよね。素でドジをするし、彼女の事では、簡単にパニックになるし。

*7:そういう背景は、日本人にはあまり共感はないと思うので。

*8:貴方は冷静になり過ぎて、自分が扱っているものの正体を知らない。

*9:デート・コンサルタントでも、実は類似した事を言っているし、実はさほど間違っている訳でもないような気がする。というより、多分、主人公は自制心が効き過ぎていただけ、だと思う。

*10:余談になるが、ヒロインの友人が、結婚式のシーンで、幸せの出会いをしているのが、さり気なく良かった。どうか、今度は幸せになって欲しい。