luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

天災被害者の報道、そして、犯罪結審後の被告の扱いについて。

2011-09-26』について、まず、天災被害者の実名報道について、コメントしておきたい。
実際には、『http://papabaka.exblog.jp/14605955/』『【魚拓】NHKが匿名希望の台風被害者を『実名報道』関係者が怒りをあらわ。(秒刊サンデー) - livedoor ニュース』で主張がされているが、実質的に意味のなくなった天災被害者の実名報道*1は、すべきではないでしょう。
既に意味がないばかりか、関係者が「さらに実名を公表されることの実害を懸念している*2」という事であるのだから。


また、少しコメントしたが、犯罪の被疑者について。『2011-09-26』のコメント欄を転記し、さらに補足する。

luckdragon2009 2011/09/26 08:48
被害者は確実に特定可能(身元不明を除く)ですが、加害者は被疑者に過ぎないのでは?
刑法上も。

まあ、日本?の被疑者の取り扱いは、黒扱いの慣習ですけどね...。(マスコミも大衆も)

luckdragon2009 2011/09/26 09:41
マスコミ報道って、裁判結審後の判決報道って、有罪にせよ、無罪にせよ、あまり多くなかったように思いますけど、気のせいでしょうか?

裁判結審後に、無罪ってのも結構あるように思うのですけどね。

...ライブドアみたいな有名なのは、有罪として、きっちり報道されましたが、でも内容として判決解説とか、事件分析とか、きっちりされてますかね?

(私、まだ判例時報読んでないので、細かい解説は出来ないけど...。)

luckdragon2009 2011/09/26 09:46
要するに、私の言いたいことは。

事件発生→裁判結審
報道、多い→報道、少ない[場合によっては、ない]

って、ことです。

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20110926

...まず、裁判中の被疑者は「推定無罪」の原則により、加害者と決まったわけではないので、被疑者に過ぎず、冤罪の可能性を考えれば、実名報道は不要であると思う。
実際に起訴され、身柄確保されているのであれば、捜査当局の監視下にあるという意味で、本人を他者が認識する必要性はない*3と思う。
また、刑事罰の制裁が、行われているにも関わらず、新たに社会的制裁まで受けなければならない、という過重な制裁という意味からいえば、裁判結審後の実名報道も避けられるのであれば、避けた方が良いと思う。


現実的な話、犯罪者の実名を知ることは「その人間が改心し、まともな人生を送る上で、必要性のある事か?」という問いからいえば、私は「否」と答える。
知った上で、まともな対話と対応をする人間が、社会にはどれだけいるかと考えたときに、適切な対応が取れる人間が、あまりに少ないと考えるし、実際には罪を償った上で、その後も適切な対応を取られることがないのであれば、自己の犯罪傾向を改める人がいなくなると考えるからである*4


社会が適切な対応を取ることができ、自己更生した後は、ごく普通の人と類似した人生が送れない限り、その人間は再び、類似の悪しき行為に立ち戻る可能性がある。
そういう状態があるのであれば、刑事犯罪においても、実名報道にある程度の制限が行われるのは必要なことだと思われる。

参考リンク
死刑廃止と死刑存置の考察/犯罪事件の実名報道について(1) - Togetter
共同通信・竹田昌弘氏による,実名報道・匿名報道のメリット・デメリットについてのつぶやきまとめ - Togetter
http://www.pressnet.or.jp/statement/report/080116_8.html

  • 捜査段階の供述の報道にあたっては、供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者・視聴者に与えることのないよう記事の書き方等に十分配慮する。
  • 被疑者の対人関係や成育歴等のプロフィルは、当該事件の本質や背景を理解するうえで必要な範囲内で報じる。前科・前歴については、これまで同様、慎重に取り扱う。
  • 事件に関する識者のコメントや分析は、被疑者が犯人であるとの印象を読者・視聴者に植え付けることのないよう十分留意する。
http://www.pressnet.or.jp/statement/report/080116_8.html

*1:該当者は、既に報道しても意味がないと主張している。

*2:公表されることが問題なのだから、他者がそれを知って議論するというのは噴飯モノ。知られることが問題なのだから。

*3:新たな犯罪発生の可能性は少ない。

*4:犯罪に関する分析では、ラベリング心理による永続的な印象付けのため、対象者が犯罪行為から離脱しにくくなる、と考察した内容もあるが、本稿では割愛する。