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法は些細なことには関わらない、の意味。

...最近、暑いですね。結構、こういう時は、人はイライラしますし、調子が悪くなる人も出てくる。
ま、自己解消している人には、あまり関係の無い話ですが、首都圏の電車内で、若干粗暴な行為に及ぶ人も出ているようで。


私自身は、時に突き飛ばされたり*1しているくらいだが、私の知り合いの法務業の方などは、隣に座った老婦人に、自分の腕等を肘でガシガシ攻撃されたそうで...。
騒ぐのも大人気ないので、若干睨み付けたら、すさまじい剣幕で、相手はその方の罵倒を開始した*2そうで。


まあ、あまりに悪質なのは、司法警察の方に出向いてもらうとしても、彼は「刑法の謙抑性」ってのを知ってましたので、単にぶつぶつ呟いただけで、無視していた。老婦人の方は、罵倒を止めなかったそうだが*3


不法行為っていうのは歴然として存在しますが、警察も総てに厳密に捜査、逮捕などをしないのは、先に出た「刑法の謙抑性」てのが考えにあるからですね*4。「法は些細な事には関わらない」とも言いますが、いったん始動させてしまうと、実際には大きな影響を、その人の人生に与えてしまったりします。国家と言う強大な権力による介入より、その他の方法で改善可能であるのであれば、そちらを利用した方が良い、という訳です。
刑法の適用が「構成要件」により、厳密性を以って該当するか否かを問われるのは、刑罰という厳しい制裁によって運用されるからであり、それ以外の道徳的な行動や、人間の社会的規範で埋め合わせできる状態なのであれば、そちらを採用するのが良いだろう。そう考えられているわけです。...別に、犯罪行為自体を、警察が見逃してくれているわけではない*5


その老婦人も「目に余る」状態でなければ、行われた方も、単に苦笑いして、時には席を外したりして、対応するだけでしょう。
ただ、それが「あまりに目に余る」状態となれば、何らかの法的手段を講じてくる可能性はありますけどね。
時々、掲示板等々で、実在の人物を罵倒している例も見受けられますが、軽い状態であれば、上記の理由によってスルーされているだけと言えます。しかし、時々、かなり酷いものも見受けられ、そういうものは大抵、刑事告訴されて、実際に刑事裁判に移行して行ったりするわけです*6


今日は、下記参考文献の p.46 あたりを読みつつ、そんな事を書いてみました。

参考文献*7
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参考リンク
法学系統の方に質問です。1.刑法の謙抑性ってなんですか?説明をおねがいします... - Yahoo!知恵袋
「法は最低の道徳である」この有名な言葉の真意は? - 法律だけでは物事を解決... - Yahoo!知恵袋
構成要件 - Wikipedia

*1:まあ、転倒に至ってないので良いのだが、たまに、これもイラっとする。

*2:傷害罪に名誉毀損も追加ですか? そんなの誰も注文してないのは明白(苦笑)。

*3:傍目から見ていると、多分、冷静に観察している人にとっては、その婦人がイタイ人に見えただろうが、たまに、半可通がでしゃばってくる事もあるので、この時期は、ちょっと気になるそうです。その方の感想。

*4:無論、人員が限られている、というリソースの問題もあるが、無限大にリソースを要求したりしないのも、それが理由。

*5:結果的に見逃している状態ではあるのだが...。

*6:具体的な例は「刑法 名誉毀損」あたりで検索してください。

*7:刑法の理解としては良い本だと思う。少年法や、道徳や罪人についての哲学的な話もある。