『[働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)]』は知っていますか?
元々、社会心理学とか、いろいろな実験で出てくる話ではあるけれど、集団の特定の割合には、働かない*1存在が必ず発生する事が知られている。
ラットの実験*2とか。人間での実験でも、同様の実験*3が存在する。
前述の書籍は、蟻、蜂などの社会に潜む、そういう働かない存在はどういう存在か、また、そういう存在は後継の世代に受け継がれているのか、という事を、調査の内容も踏まえて語っています。
実際には、書籍を熟読して欲しいが、実際には、いわゆる「フリーライダー」と呼ばれるような存在が、集団の多様性を維持するために必要*4、かつ、集団の多様性が、その集団の生き残りに必要となるために、その存在自体が必要*5となる事、また、これを忘れてはいけないのだが、その存在が大きくなり過ぎても、集団が生き残れなくなるため、その調整自体も必要となる事、そういった内容が語られる*6。
茸の柄になる存在*7のために、胞子を放出する存在が子孫を残す、という記述が、なかなか興味深い...。
実際、社会に寄りかかり、保護を享受する存在を悪しざまに罵る言動は聞いても、その存在が今後の違う環境での生存競争のために準備され、用意されているかもしれない、という考えはあまり聞かない。
しかし、これを読んで考えるに、そうではなく、人はそれぞれに違う属性を持ち、違う選択をしても良い、逆に、した方が良い、と言えるのかも知れない。なかなか、そういった割り切りを、普段の思考に持つことは難しいかも知れないが。
...また、その存在を大きくさせ過ぎてもいけない、という処も、心に留めておくべき事なのかもしれない。
参考文献*8
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