luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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中国、尖閣諸島問題の日本外交の分析、最初のボタンの掛け違え

政治論は抜きにして外交の現実論 - ハスカップジュニアの備忘録
ここのサイトでの関連を、私のサイトで取り上げます。(コメントが承認制なので、自己コメントが編集必須なので、こちらで。)


該当記事(産経の記事)にある、温家宝首相の演説に関しての補足ですが、この演説の背景には、中国の後継者の話があります。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100926/plc1009260109002-n2.htm

 温家宝首相は23日の国連総会での一般演説で、国家主権や領土保全では「屈服も妥協もしない」と強調し、国際社会に明確なメッセージを発信した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100926/plc1009260109002-n2.htm

また、指導者の掌握力という意味から言うと、温家宝首相指導力の若干の低下、および、その低下に関する国民への統率力の強化の背景があり、この事により、首相の支持団体より、肯定支持表明がありました。
これが、関連の反日デモ(中国政府筋の官製デモ。支持団体が背景にあるとの観測。)であり、これに連動した尖閣諸島での威嚇行為*1です(多分、攻撃までは意図していない。ある程度威嚇表現が何らかの形で報道されたら、引きさがるつもりだった、と思われる。元々、この行為自体も台湾への圧力も兼ねているとの観測なので。)
http://info.sousokou.jp/?eid=355904

温家宝首相はニューヨークにおける講演でのべた「在渉及主権、統一及領土完整的問題」が、直接的には台湾問題を指しているのは明らかであるが、どうも日本のメディアは、日本以外の周囲が見えないようだ。これもいわば「指桑罵槐」であって、日本と尖閣諸島の問題を争うように見せかけて、暗に台湾との「主権」の問題で譲歩しない姿勢を強調したのである。逆の見方をすれば「台湾」を巡る問題について、中国政府内......つまりは軍部からの相当な圧力があることが伺えるのである。

http://info.sousokou.jp/?eid=355904

そもそも中国の「首相」は日本の「首相」とは異なり、主に経済領域にしか権限を持っていないのであり、内政や外交の方針についての影響力は限定的なのである。ゆえに日本の首相との会談が、実務レベルからの申し入れでキャンセルになったとしても、怪しむには足りないのである。
香港メディアでは、温家宝首相の中国政府内での孤立を懸念する声があがっている。民主化や政治改革を唱導する温家宝首相は、「平民宰相」としての声望があるが、あきらかに今現在の中国政府内の主流(胡錦濤習近平ライン)の方針とは合致していないのである。

http://info.sousokou.jp/?eid=355904


そういう意味では海上保安庁?が間違えた、と私は観測しています。
わざわざ日本側が過剰反応しなくて良い内容。つまり、回避したら、中国当局に通報すべきだった。これは今までの日中漁業協定の慣例と同様に。ここで、公務執行妨害で逮捕したので、今までの慣例を変えた事になる。*2


...ところで、この海上保安庁の行為、気になるのは、この最初の逮捕の意向に政府が関わっていたのか、です。シビリアンコントロールという意味では、現場の指示の決定に関わっていたと見るべきなのですが、マスコミ系で、最初の海上保安庁の行動に触れているメディアはあるのでしょうか?


あと、件の船長の起訴関連情報・漏洩事件ですが、マスコミ?で、該当海上保安官を英雄視してしまうと、過去の歴史からの連想(5.15事件)から彼を軽微な罪にできなくなる(そういう観測が出てしまう。よって、罪を軽減することは難しくなる。)。
英雄視が、彼を逆に追い込む、という視点で考えると、みだりに称賛しない方が良い。これは、世論を構成する国民に対しても、そうすべき。


なお、いみじくも記事中*3で、鳩山さんが言っていたが、現政府の首脳陣に中国との情報ラインがなのなら、即刻作るべきです。実は、これは中国との経済的交渉がある複数の情報源からも、政府、ないしマスコミを懸念する声が上がっている。一人は、私の友人。もう一人は、ここのサイト(下記に該当記事をリンク)。
http://info.sousokou.jp/?eid=355904

それにしても、である。ここ二ヶ月ほどの報道を読む限りにおいて、昔に比べて大陸や台湾の情勢に理解のある人が、日本にはとても少なくなったことに驚いている。日本人は海外の政治家や論客に「親日」や「知日」を見つけては喜んでいるが、同じ程度に自ら他国を知ろうという意識があるのだろうか........こちらの方が小生としては不安に思うところである。

http://info.sousokou.jp/?eid=355904

関連リンク
http://info.sousokou.jp/?eid=349075


米が日本に求めるミサイル防衛システム構築は「米軍基地を中国から守るため」だけのもの。日本の防衛は一切眼中になし~@magosaki_ukeru孫崎亨つぶやき編集: 本のセンセのブログ*4

参考書籍
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*1:地検の話では、飲酒かつ初犯だったため、釈放という見方もある。政治的判断かどうかも微妙に違う気がする。そういう意味では、政治的な威嚇意図も今回はなかった可能性すら、ある。

*2:変更したのならば、当然相手の出方も変わる訳で、当然ながら、次の策を出す予定をしていたか、だ。が、政府の対応を見る限り、どうも何も考えていなさそうだったのだが、対応方法をどう考えていたかは聞きたい事だ。ちなみに、見事にアメリカ政府の対応は、台湾関係と分かっての言動、および行動と合致してますので、意識していないのは日本だけ?

*3:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100926/plc1009260109002-n2.htmにて。『鳩山氏は続けた。「私が首相当時は、温首相とのホットラインがあった。事件直後に菅首相が腹を割って議論すればよかった」。嫌味を言われる始末だ。』と書かれている。

*4:なお、『http://sankei.jp.msn.com/world/america/101116/amr1011160040000-n1.htm』は関連ニュースと思われる。日本での報道は、11/16(火)だったが。米国は、台湾問題へのメッセージを正しく理解している模様だ。