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米国の対中国戦略分析は、こんな感じ。 - Is China a Regional Military Treat? (フォーリン・アフェアーズ 日本語版 2005年10月号/公開記事)

http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201005/China_military.htmより引用

CFRブリーフィング
中国の軍事力増強を各国はどうみているか
Is China a Regional Military Treat?
フォーリン・アフェアーズ 日本語版 2005年10月号

――アメリカは中国の軍事的台頭にどう対処しているのか。

 専門家の多くは、米中関係は重要な局面にあり、ワシントンは対中路線を正しい方向へと再調整する必要があるとみている。評論家のなかには、国防長官に就任して5年目になってやっとラムズフェルドが、中国を訪問したことを批判する者もいる。国防総省国務省の高官のほとんどはすでに中国を訪問し、複雑きわまる米中関係を管理しようと試みてきた。

 2000億ドルという膨大な対中貿易赤字を抱え、米議会では保護主義的な動きも出ている。しかし、中国とアメリカは貿易面では相互依存の関係にあるパートナーでもある。リチャード・ブッシュは次のように語っている。「われわれが中国を敵であるかのように扱えば、いずれ中国は本当にアメリカの敵になる」。

――By Ester Pan (www.cfr.orgのスタッフ・ライター)

http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201005/China_military.htm

ある意味、非常に現実的な路線と言える。アメリカとしては現在多数の問題を抱えているうえで、貿易赤字問題も存在するが、自己のパワーの各所への分化による、相対的なパワーダウンは避けたいはずだ。
よって、選択的に力を入れる問題、入れない問題があり、中国においては台湾に関係する問題が発生する以外は、日本と中国間の問題が発生しても、『傍観していたい』と考えていると思う。
元々領土問題に関しては、日米安保の態勢の点からも干渉はアメリカとしては行わない、という方針であり、最近のアメリカの発言等を見ても、そこから、ぶれた発言をしているとは思えない。
もし、対中国政策の一環として、『日米安保思いやり予算等を増額せよ』なんてことを言えば*1、今までの方針と矛盾する、発言内容になるだろうが。*2

関連記事
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200106/klare.htm
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201004/Packard.htm

*1:今のところ、そんな事は言っていないように思う。ただ、日本の報道機関が、そう言ったかのようなミスリードの報道を行う可能性はあるが。

*2:繰り返しになるが、台湾との問題が表面化していないのなら、アメリカとして、政治的背景をもった、そういう主張はあまりしないと思われる。あるとすれば、経済的な要求くらいか? ...まあ、某湾岸戦争を始め、経済的な要求の例は、それなりにあるので、油断はできないのだが。