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科学の復習(惑星の科学/竹内均)-4、月起源の話

さて、月の起源に戻って...。
最近の話題では、JAXA の「かぐや」の話がある。そこでも出てきているし、最近の定説になっている月の起源は「ジャイアント・インパクト説」。つまり「分裂説*1」「双子集積説」「捕獲説」のどれもが否定され、新たな説が定説となった、という事になる。
この事実が、まさに科学の科学たる所以で、科学はニセ科学と違い、ちゃんと自説を修正し、必要であれば今までの総ての説を捨て去り、新説を採ることさえある、という事である。
また、この項目を採用してよかったかな、と思うのは、結構きれいに科学的論旨の典型例になったという事です。「ジャイアント・インパクト説」は結構着眼点が新しいし、なかなか懐疑的に見ることもできる説ですが、コンピュータ・シュミレーションと、月の構成物質の分析という、近年の科学技術を結集し、この結論に至ることができる、という科学技術の集積が成果を挙げた内容でもあります。
詳しい内容は、Wikipediaの記事「ジャイアント・インパクト説 - Wikipedia」を見てもらうと分かりますが、地球のマントルと月の岩石(アポロ計画で採取)の分析内容が一致すること、重力多体問題という計算の一種をコンピュータで計算した結果が現在の互いの運動状態の観測内容*2と一致することが、定説を証明する根拠となっています。つまり、強力なエビデンスが存在するわけです*3


以下に、リンクをまとめておく。


ジャイアント・インパクト関係
ジャイアント・インパクト説 - Wikipedia
「かぐや」のこれまでの主な科学的成果 1
「かぐや」のこれまでの主な科学的成果 2



こっちは、概要系のリンク
月 - Wikipedia
JAXA|日本の月探査機「かぐや」の初期成果〜月の起源と進化の謎にせまる〜
http://www.jaxa.jp/




[:title]

*1:これが天文学者ダーウィンが唱えて、ロシュに否定された説。

*2:地球の自転軸の傾きや、自転の推定される初速など。

*3:ダーウィンの主張の基になった内容については、書籍には、不明確ながら「互いの距離の推移から推測した」と記載があった。これについてはどういういきさつで、そういう推論に至ったかを、もっと詳しく調査しようと思う。