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映画「ヒトラー暗殺、13分の誤算」

ネタバレ注意。と、言ってもほぼありませんが、リンク先は視聴後にした方が良いかも。

ヒトラー暗殺、13分の誤算」という映画を観ました。
怖い拷問のシーンもありますが、基本的にはゲオルグ・エルザーと言う、個人でヒトラー暗殺を企て、失敗した一人の周囲で起きた出来事を綴った、という感じです。
その中で、周囲の普通の人が政治的に固定的な見識に染まり、それ以外をあまり考えず、対立する集団を弾圧しても、その行為の意味をあまり考えている風に見えない*1なかで、ゲオルグが醒めた目で周囲の人を見まわすシーンが印象的でした。
ナチ自身は、特にナチ中核の人物になる程、個人が自分の考えで、自党の政治的思想を否定する、という思考を出来なかった、というように描かれており、取り調べでゲオルグに接した将校?に、どこからの指示か調べろ、と命じてもいます。取り調べで接した人には、単独犯にしか見えなかったようですが。
ある意味、自分を狙っているのは、ある種の陰謀集団に違いない、と思い込むような、誇大妄想的な事項が、ナチ幹部にはあったのかも知れません。史実はどうだったのかは、良く分かりませんが。


個人的な見解としては、個人・集団を狙ったテロが政治行動を良い方に変えるとは思っていないので、彼の行った行動は評価してませんが、集団が一方方向に熱狂している時に、それを冷静に分析するような、醒めた視点は見習いたいと思います。


彼についてのかなり細かい内容があります。→ エルザーのヒトラー暗殺未遂とハンフシュテングル亡命:鳥飼行博研究室

*1:自分の偏見から、とある女性にプラカードを下げさせ、広場でさらし者にするシーンが描かれているのですが、その行為の醜悪さに気づく風もない。