luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

誰かの忌日は、誰かの記念日か、何もない日(un-birthday)です。

まさに、T.ギロビッチ著 人間この信じやすきもの 案件、ですね。
何か、色々な処で話題になっているようですが、一番重要な事を言っておきたい。

ちなみに、思い込むと、どんどん疑念が強くなるので、既に汚染されてしまうと、疑念から抜けられなくなるのは、陰謀論と全く同じ。

https://twitter.com/rt_luckdragon/status/630369723876675584

これ、元々はほぼ意味なしの定期メッセージみたいなものだったようです。というより、それ以上でも、それ以下でもない、さして意味の無いものであるように見えます。
ギロビッチ案件だというのは、人間この信じやすきもの より、

第2章では、単なる偶然が支配すランダムな現象の中に、私たちは規則性や秩序があるように感じる傾向があることを論じる。第3章では、不完全で歪んだデータの歪みに気づく能力や、それに惑わされないようにする能力において、私たちには欠けたところがあることを論じる。第4章では、私たちは、曖昧で一貫性のないデータを、お気に入りの理論や先入観からの期待で解釈しがちなことを論じる。

http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0448-0.htm

という内容が、後認知的に生じる事をよく知っているから。
単なるランダムな点滅にも、人は意味があると思い込んでしまう傾向があり、多くの誤信や陰謀論は、それ故に何もない処から生まれてしまう。
今回の事件が「何もない日(un-birthday)」に関して、というのは、とっても象徴的ですね。
多くの人にとって誕生日の日以外は、イベントとして何も無い日だったりします*1。人が重要に思う日は、他の多くの人にとって別の重要な日であるかも知れないし、さして意味の無い日であるかもしれない。
原典(鏡の国のアリス)では、以下のように綴られます。

"They gave it me," Humpty Dumpty continued thoughtfully, as he crossed one knee over the other and clasped his hands round it, "they gave it me――for an un-birthday present."

https://en.wikisource.org/wiki/Through_the_Looking-Glass,_and_What_Alice_Found_There/Chapter_VI

ハンプティダンプティが、何もない日のお祝いとして、贈り物をもらった話です。
結局の処、そういう単なる呟きを、自分に関連するなにかとして、人は解釈し過ぎてしまう。つまりは、何もない処に意味を見てしまうから、こういう騒動が起きる訳です。
いったん、意味が生じてしまうなら、相手としてはツイート削除、謝罪を行う、と。とすると、誤信の相手は、元々が何も意図無き行為であっても、自身に疑念が生じているので、相手の行動すべてに自己の後認知バイアスによって、疑念が生じてしまう事になります。
もう一度、繰り返しておきます。「多くの人にとって誕生日の日以外は、イベントとして何も無い日だったりします。人が重要に思う日は、他の多くの人にとって別の重要な日であるかも知れないし、さして意味の無い日であるかもしれない*2。」


認知バイアスが生じてしまっている今となっては、それが生じていない心理に立ち戻るのは容易では無いかもしれないが、それが出来ないと、いつまで経っても、誤信の心理感情から抜け出す事は出来ませんよ。
[]

*1:下手をすれば、誕生日だってそうです。

*2:というより、大抵がそういう日常の日です。