luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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人を正しく批判するのは良いが、線を踏み外して嘲笑に踏み込まぬように。「人を呪わば穴二つ」

糖質制限論破おじさん という纏めがあった。
まとめられてしまう程の迷惑行動は見られるので、本人を擁護はしない。
ただ、批判コメントをよくよく見ると、普通に批判しているのは良いとしても、色々配慮が足りないのでは、とも思える面が目につく。さすがに賛成はされていないけど、「〜で死ねばいい」とか、ナチュラルに言ってしまっていいのか?
元々の批判の趣旨は分からなくもないが、嘲笑の方向性が出てきているので、コメントもいい加減にしたら? と思えてくる内容ですね。


現実的な食事制限では、精神的に不安定になる事もあるし、精神を安定化するための服用が、主治医の判断で行われることもあります。この病気の専門医であれば、臨床的にそういう事例にも当たっている筈。
実際には多様なケアと、患者ごとに多様な症状が存在する病気です。差別的に精神疾患の病名を出してしまっていますが、そんな安易にレッテル貼ってしまっていいのですか?
病理の臨床的な対応として、そういう状態のケアを、専門医は実際にやったりもします。そういう患者と向き合う行為も無しに、傍目で見た、ほんの少しの情報を基に、医療者でもなく、担当医でもない無責任な立場だからと言って、酷い言葉を投げて良い道理があるんですか?


なお、「元〜」と書いてあるから、として本人の意識を問う言及があるが、実際の担当医でもないのに、そして臨床的に向き合っている医療者でも無いのに、本人が見るかも知れず、気分を害するかも知れない場所で、本人の心理的に触れて欲しくない部分に、多数で無造作に言及するような内容ではないだろう。
本人の精神状態が良好では無い事が懸念されるのであれば、尚更(なおさら)である。


この病気は確かに直らないが、完全に投薬がいらず、ほぼ普通の人と同様の生活がおくれるほどに寛解(かんかい)するケースはあり得るし、実際に臨床例でもあるので、その場合に「元〜」という言葉を使いたくなる理由、感情は理解できる*1。何せ、この病気、それなりの層で、誤解やら、揶揄やら、嫌な言葉を投げられる病気でもある*2のだから。
医者が使うのならまだしも、患者の、それも闘病を意識しての言葉なら、ちゃんと症状が残っている事を意識さえしていれば、そんなにしつこく絡む内容なのか、と思う。多数を頼みにした、ネットでのイジメに見えてしまう。


放送大学とツイッター大学〜インスリン・糖尿病そしてホルモン〜 で、私はこう言いました。

そうそう、この病気になった人を笑ってたら、次の年に、ご本人が病態判定に、という笑えない実話があるので、人を嘲笑しがちの人はご注意。

http://togetter.com/li/837070

これ、真面目に実話です。
本当にこの病気で闘病している人は、実感していると思うので、安易に嘲笑したりはしていないと思うけど、実感していずに、相手を笑っている人が居るとすれば、この言葉を贈ります。


人を呪わば穴二つ - 故事ことわざ辞典 より。

「人を呪わば穴二つ」

【意味】人を呪わば穴二つとは、人に害を与えようとすれば、やがて自分も害を受けるようになるというたとえ。

http://kotowaza-allguide.com/hi/hitowonorowabaana.html


人を気分悪くさせている人間には、誰であろうと、災いあれ、と素直に思いますよ。  誰であれ...、ね。




ちなみに補足なんですが、そもそも、糖質制限のみ、では、どのような目的で、どのような方向を目指しているのかが不明なので、意見を言う事ができません。参考までに、ひとつ、論文を挙げておきます。低糖質に関して分析した論文ですね。
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies


この手の話題は、総合的な見地に立たねば基本的に意見を言うことが出来ません。
医療者が迂闊にコメントせずに、抑制的であるのには理由があるので、そこに少しは気づいたら? と思う。

*1:特に悪質なコントロール下の病態から脱して、自己コントロールが良好になった患者が使いたがる言葉であると思う。そういう気分は、少しは考えてあげても良いのではないのか。ネットイナゴのように叩きに走るのではなく。

*2:実際、この纏めのコメントが証明しているのではないか。