luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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何か、アプローチの仕方を間違えていませんか? ダイエット、または、適正体重保持の話。

twitter の自分の TL 中で、胡散臭い情報が流れてたんで、ちょっとツイート送ってみたけど、特に反応もなかったので、一般的な話でもあるし、ブログ記事に書くことにしました。
よくダイエットに対して、「良い方法」とか、「新しい手法」とか、「画期的な」とか、色々な飾り言葉付けて、情報紹介されているのを見かけます。しかし、医学上で身体特性に関して、大変革とも呼べるような医学理論が確定されない限り、実際の手法は、特に変わったりはしません。
実際の実施方法が変わらないとなると、この手の話題に関して、何かしらの商品を送り出す側としたら、何らかのそういう商品を作り出すわけで。
でも、そういう、何か視点が変わった情報や、身体解析が結果に何がしか寄与するかどうか、というと、眉唾ですよ。
例えば、ここの例*1で言うと、自分の基礎代謝の傾向を遺伝子から、という話みたいですが、それが実際の本人の生活態度の対策に繋がりうるか、というとそうではないと思います。
少し、症状を説明している部分を引用します。

≪肥満関連遺伝子の特徴≫

●β3アドレナリン受容体遺伝子(β3AR)保持者
・日本人の34%が保有し、基礎代謝が1日200kcal低い
・お腹周りが太っており、糖質の代謝が悪い
・糖尿病、高脂血症脂肪肝に注意

●アンカップリングプロテイン遺伝子(UCP-1)保持者
・日本人の25%が保有し、基礎代謝が1日100kcal低い
・下半身が太っており、脂肪の代謝が悪い、痩せにくい
・がん、女性は子宮関係の病気に要注意

●β2アドレナリン受容体遺伝子(β2AR)保持者
・日本人の16%が保有し、基礎代謝が1日200kcal高い、逆肥満遺伝子
・ほっそりとしており、筋肉がつきにくい。一度太るとと大変痩せにくい
・心臓病、うつ病、低血圧などに注意

http://www.karadakarute.jp/tanita/diet/diet055.jsp

結局、どの遺伝子に関しても、悪い話題並べていますよね。そもそも、この遺伝子が病態とか、肥満体型にどう結び付くのか、疫学的な資料が提示されていないです。
こういう情報提示は、体質の悪化に話題を繋げていく脅し的な営業手法で、非常に問題あると思います*2。逆肥満遺伝子として紹介されている遺伝子も、結局のところ、何らかの病気と繋がりある形で紹介されちゃってます。ある意味、呪いの言葉として、ご本人の心を縛ってしまいませんか?


なお、血糖値を下げるホルモンとして有名*3インスリンは、肥満要因としても働きまして*4、これが大量に分泌する体質だと、肥満体型を保ちやすく、巨漢の人が多い民族は、その体質らしいのですが、日本人はどちらかと言うと、逆の体質であり、インスリンの分泌は多くありません。
故に、日本人は巨漢の体型になる前に、膵臓のランゲルハンス島*5を損傷し、病態に進行していく傾向が強いように思います。
太るかどうか、というよりも、大量の摂取カロリー自体に耐性が薄いので、その部分で生活習慣を気にした方が良いように思います。
要は、食べ過ぎない方が良いよ、という事ですね。
なので、健康に気を使うのであれば、遺伝子検査やら、多様なダイエット情報を、と考える前に、私なら「毎日、体重計に乗りなさい」と言います。また、出来るのであれば、自分の生活習慣、特に食事内容のメモは付けた方が良いと思います。食事メモは大変だと思いますので、あまり勧めません。ただ、食事メモが面倒な方でも、体重計だけは毎日乗ってください*6
色々、面白い発見があると思いますよ。食べ過ぎでも、すぐに体重増加に結びつかなかったり。その一方で、毎日の食事傾向が、長期間の体重の変化傾向に明確に表れてきたり*7。また、食事メモをしっかりつけて、食事をしっかりしているにも関わらず、体重減少が見られるなんて現象を発見*8すれば、病態も見つけることが多分、可能です。


ダイエットに関する多様な情報の氾濫は、それが実際には役に立ってはいない、実効を成していない、という事を示していると思います。他人のあやふやで不確実な情報に踊らされすぎ*9です。それは、他人からの「所詮は他人事の情報」であり、自らの正しい行動に結びつく原動力になっていないのです。
そんな事を気にするのであれば、ちゃんと自分の状態を確実な観測で、把握し、それを自分の行動に繋げてみませんか。その方がダイエットは成功すると思いますよ。
私はダイエットの失敗とは、単純に自分の正確な行動記録に向き合えていないからだと思っています。そのためには、確実な自分の記録をきちんとつけ、それを自分の今後の行動に繋げていくのが大事だと思っています。
結局、人生の最後まで自分の体と付き合うのは、自分自身でしょ。


ちなみに、健康という意味では、ダイエットではなく、適正体重維持だと思っています。つまり、痩せすぎの人が太る、という方向性もあると思うし、体重計の計測を止めることは、私はしません。...観測を止めたら、自分の生活把握が出来なくなりますから。

*1:参考 日本人は太りやすい?肥満遺伝子チェックをしよう!:タニタ 健康・ダイエットBOOK

*2:営業的な話法が削れていたとしても、遺伝子分析は、今の技術ではあまりに不確定な情報だと思うし、確定的な情報になったらなったで、遺伝子差別みたいな思想を生みそうで、怖い。

*3:ちなみに、唯一、このホルモンだけが抑制効果を持ちます。

*4:糖を体組織に運び、そこに貯めるため、「摂取カロリー」→「体重」となる。

*5:ランゲルハンス島の構造と特徴 | インスリン分泌を行う膵臓内分泌系組織【医学でポン】

*6:なお、体重は毎日の計測誤差が結構あります。なので、大体 1Kg くらいは誤差があると思っておいた方が良いです。

*7:私は食事メモを取っているので、こういう事が出来ます。

*8:その場合、その前に過剰な体重になっているパターンも多いように思いますが。

*9:遺伝子の件だって、体質を気にするのであれば、遺伝子検査より自分の生活記録してみれば、すぐに分かるように思う。ただし、判明するのは代謝と摂取カロリーの部分のみですが。