luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

ワクチンは社会の防壁。風疹被害の多さは、日本社会のワクチン対策の遅れを明確に示している。

実は現在の惨状は、今年の早くから警告されていた。色々あるが、取っ掛かりはここら辺を見ていただければ。→ 2013-06-21


この時点で、日本は世界各国から警告される国になってた。警告は GW 頃でしたね。私のまとめ。→ 風疹、各国からの警告 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック
日本へ行くの日本へ行くのであれば、風疹のワクチン接種をしておけ、と言われている訳ですよ。感染症に関しては、日本は世界の後進国扱いですね*1...。
なお、感染予防は長年女性中心であったので、男性の抗体価が低いままであった。故に私はこんな記事も書いた。→ 風疹の潜在感染母体になる、20〜40代の男性の方へ。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック
日付を見てもらえばわかるが、これは 7月時点である。
なお、ワクチンの使用法に関しては、My Life: 風疹生ワクチン産みの親、PlotkinのVACCINESには風疹ワクチン接種方法に以下のように書かれてます。 Although many possible strategies for the prevention of CRS have been used, there are two basic approaches: CRS reduction and rubella/CRS elimination. CRS reduction focuses exclusively on immunizing adolescent girls or women of childbearing age, or both groups. This approach will provide direct protection to women of childbearing age; however, the impact of this strategy is limited by the coverage achieved and the range of age groups targeted. The second approach focuses on interruption of rubella virus circulation, thereby eliminating rubella and subsequently CRS. In principal, assuming high coverage, routine vaccination of infants alone would eliminate CRS in 25 to 30 years. Countries can shorten the time frame to elimination by vaccinating wider age ranges. Rubella and CRS will be eliminated within approximately 10 to 20 years when vaccination at high coverage is provided to young children and adolescents (for example, children aged 1 to 14 years), and within 10 years when vaccination at high coverage is provided to young children, adolescents, and adults. 女性をターゲットに接種するのでは風疹ウィルスの環境からの排除ができない。幼児に限って風疹ワクチン接種では風疹排除に25-30年要する。風疹ワクチン接種年齢を1~14歳に広げると10-20年で排除できる。そして、幼児、小児、青年、成人に接種すれば10年位内に排除できる。 AMAZONで誰でも買えるテキストに書かれていることだから、それこそ、厚労省の委員会のメンバー当然ご存知のことです。しかし、それができてないのは、何故か?やっぱり、背景には一人のCRS予防より彼らにとって大事なことがあるのでしょう。それを覆すにはどうすればいいかな。 きっと風疹ワクチン接種枠拡大すればワクチン不足をきたすと言うでしょうが、それこそ海外メーカーにお願いして契約して作ってもらって輸入して接種って、またまた国家検定か。イモバックスポリオの導入に際し、漏れ伝わる厚労省の担当官の談話「厚労省がメーカーに製造承認申請を依頼することはない。メーカーの意思で申請されるので、それを審査するのみ」と。それなら、10年以上前に既に化血研から申請済のメルク社製MMRIIを早く審査して承認するなり、却下するなりして欲しい。書類棚晒しって、これこそ大問題。 いま、風疹に関心が高まり、日頃ワクチンに触れることの少ない大人も風疹ワクチン接種を希望している。この時を逃すことなく、国をあげてワクチン接種を勧めるべきだ。そうでもしなければ2020年の東京オリンピックに際し、IOCから、東京へオリンピック観戦に行くときは風疹感染に要注意なんて警告がでるかもしれない より。

女性をターゲットに接種するのでは風疹ウィルスの環境からの排除ができない。幼児に限って風疹ワクチン接種では風疹排除に25-30年要する。風疹ワクチン接種年齢を1〜14歳に広げると10-20年で排除できる。そして、幼児、小児、青年、成人に接種すれば10年位内に排除できる。

http://makoto-mylife.blogspot.jp/2013/11/plotkinvaccines-although-many-possible.html

ワクチンは個人が感染症に罹らなくするための効用だけではない。個人が感染症に罹らなくなったり、症状が軽くなると、他人に感染させる力を失う。ワクチンがほぼ全員に接種されていると、それにより感染しなくなるので、発病している患者の絶対数がほぼゼロになるのだ*2
ワクチンが接種されていない集団が居ると、ウィルスに感染した人が一定数存在し、感染者がウィルスの培養体になる。そのため、常に小さな火が燃え移っている状態であり、今年のように勢いよく燃え広がる状態にもなってしまうのである。
この日本の対策遅れ状況の犠牲者が、 CRS児 と、その母親たちであろう。


最後に、http://medg.jp/mt/2013/12/vol299.html からの引用で締めたい。

この少子化の時代に、なぜ風疹対策が進まないのか不思議でなりません。取るべき対策は明らかなのに、他の先進国でできることが、なぜ日本ではできないのでしょうか?このままでは、私たちと同じように苦しむ母親と赤ちゃんが増え続けてしまいます。二度と同じ事を繰り返さないために、旗振りでなく有効な対策の 実行を望みます。

http://medg.jp/mt/2013/12/vol299.html

*1:ちなみに、早々ではあるが、2020年のオリンピックへ向けて危機感を持っている方もいらっしゃいます。→東京オリンピック開催の意外な落とし穴? : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

*2:アメリカ、西欧諸国が、ほぼこの状態。