luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

ロハスメディカル、関西版創刊に想う。 メディアを読者が支えるには(...って、あまり肩ひじ張らずに...)。

「それゆけ!メディカル(ロハスメディカル関西版)」、創刊おめでとうございます。


冒頭からですが、少し想起された内容があったので...、ここで、少し記憶を遡ります...。
2011年3月12日、東日本大震災の翌日。地震発生直後に、東京の地で軽く負傷した私自身は、傷ついた体と、それ以上に傷ついた心を抱えて混乱していました。でも、その中で、「阪神・淡路大震災」の記憶を語ってくれた方々、関西の人々に、私は、何気ない暖かさと、かつて似たような震災を経験し、そして、そこから復興した、不屈の意志を見ました。
比較的軽症だったせいもあり、一時はどん底だった、私の精神的状態は、それを機会に次第に明るさを取り戻し、ゆっくりと日常を取り戻し、今では、かなりの部分で、震災前の状態*1を取り戻しつつあります。
関西。
私は関西には回数自体はけっこう行っているのですが、大抵、御堂筋とか、新大阪とか、京都の苔寺とか、妙に行く場所が固定的なお陰で、非常に限定したイメージしかありません。
...私の関西のイメージは、どちらかというと、関西に住む人々との交流から、という部分が大きいです。


その関西に、ロハスメディカルの関西版が誕生した、とのこと。
ロハスメディカル、というと、医療情報誌。それも、私にとっては、サイトの各種議事録や、情報リテラシーを追求した Web記事が、印象のベースにありますね。
特に、医療情報や、医療に於ける各種の委員会、会議、そういった議事に関して、できるだけ、その場で議論された内容を記事に反映しようとする姿勢が、私の懐疑的論理主義にかなう姿勢で、私の評価は非常に高いです。
最近では、「村重直子の眼」というシリーズ記事が取り上げる、様々な医療現場の姿、人物の紹介*2、が、とても興味深く読めます。
サイトの画面操作、構成も独特で、各カテゴリがマトリクス表になっている上部など、若干慣れが必要ながら、漫然と構えずに、工夫をしていこうという姿勢も良い。


実は、過去、新型インフルエンザに対する脅威が取りざたされ、ワクチンの接種手順、高リスク者の優先順位、接種回数等、マスコミ報道が過熱していたころ、ロハスメディカルに関して、足立政務官に対する報道で、大変に印象に残っている記事があります。
それは、『新型インフル 議論そのものを公開 足立政務官ヒヤリング|ニュース|ロハス・メディカル』です。冒頭、引用する。

19日晩に急遽開催された新型インフルエンザワクチン接種に関する緊急ヒヤリングは、大変に白熱して面白かった。しかし終了後の記者たちの顔を見ていると、金曜日の専門家会議について旧来型取材の常識に則って記事を書き、結果的に"誤報"とされて面白くなかったらしい。無理に要約しようとするから間違えるので、当方はあんまり要約しない。(川口恭)

http://lohasmedical.jp/news/2009/10/20010545.php

情報を正確に記載するために、「要約をしない」とした決意に、私は、一次情報として、可能な限り、情報の歪曲を防ごうとする、明確な意志を見てとりました。そして、その姿勢は、今もなお、ロハスメディカルの紙面*3の中に生きていると思います。
ただ、こういった生真面目な姿勢は、メディアの収益や、メーカー広告の掲載率などには、多分、マイナスに働くこともあると思います。良識を守ろうとするメディアが、メディア業界自身では苦戦し、経営的にはなかなか楽ができない事も多い。
最近の「アエラ表紙騒動*4」に見られるように、単に読者の不安を煽った方が、注目を集める、という方向で、出版数も増え、それなりに利益も得ることができる。センセーショナリズムに頼った紙面を繰り返せば、多分楽であろう。
...しかし、そういった安易な報道に、敢えて異を唱え、自分の伝えたいことを、愚直に伝える報道という姿勢もある訳で、派手ではないが、そういう報道がどこかに継続して存在し続けたら、医療現場を取り巻く、様々な人たちにとって、互いを繋ぐ正確な情報伝達の道として、とても有用な存在になるのではないか、と、私は思う。
ロハスメディカル紙自体は、無料配布形態*5であるから、そういう場合の支持の表明としては、これは、読者として、記事を読み支える以外にはないと思う。関西、そして最近創刊された、仙台版などの各版についても、創刊したばかりの配布事情である事から、まだまだ、配布先の医療機関は少ないのではないかと思う。雑誌の位置づけとしては、広く配布され、読者に読まれてこその存在であろう。
...とするのであれば、読者として、ロハスメディカルを支えるのであれば、記事を読み、そのうえで、まだ配布先となっていない医療機関に、この情報誌の存在を紹介していくのが、良質な情報誌を支える、読者として行える行為*6ではないかと思う。

「それゆけ!メディカル(ロハスメディカル関西版)」の配布申し込み → 『「それゆけ!メディカル」申し込み方法|ロハス・メディカル ブログ


医療のより良き発展を願う一読者としては、「それゆけ!メディカル」ならびに、「ロハスメディカル」各誌の創刊何十年とかのイベントを、将来、見届ける事ができたら、と思ったりもする。
...それは、私自身、健康で長寿、という姿を保ち続ける必要があるのではあるが、まあ、その方が人生に張りあいも出て、楽しいかもしれない。人生、何かを継続的に見守り、時に、その話題に親しむ、というのは何となく楽しい気分になる。
そしてそれは、あまり難しく考えずとも、良質な情報誌を支える地味な活動になるのかも知れない。

http://lohasmedical.jp/blog/%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%82%86%E3%81%91%EF%BC%81%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB-thumb.jpg
画像 著作権:「(株)ロハスメディア」(ロハス・メディカル~正確で分かりやすい医療情報 公式サイト|バックナンバー電子書籍無料公開中)

*1:まあ、続く原発事故と、計画停電のお陰で、完全に取り戻すには至ってはいないのですが。

*2:最近では、『村重直子の眼17 小田知宏・発達わんぱく会理事長(上)|ニュース|ロハス・メディカル』。

*3:Web記事、印刷物、二つの意味で。

*4:あの防毒マスク...。

*5:ロハスメディカルについては、定期購読もある。定期購読に関しては、『定期購読・関連書籍のご注文|ロハス・メディカル』を参照の事。なお、現在の配布先は『首都圏 配置病院一覧|配置病院|ロハス・メディカル』にある。

*6:ご意見等あれば、ロハスメディカルのサイトに。なお、この記事に関する意見は、twitter アカウント twitter@rt_luckdragon に。