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初回から、弁論準備手続になる場合がある?

昨日の記事、民事訴訟の裁判記録を、閲覧に行く(予習編2、記録綴り順) - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック にて、

裁判によっては、実際の第二回口頭弁論*1の開催の前に、弁論準備手続きが何度も入っていたりしています*2

http://d.hatena.ne.jp/luckdragon2009/20160511/1462966338

なんて書いてたのですが、被告が欠席し、答弁書擬制陳述が多い第一回口頭弁論*3が無く、最初に弁論準備手続が発生するケースがあるらしい*4
最初から弁論準備手続 - 生活と法律 | いいねを押したい弁護士ブログ より、引用。

できれば初回から実質的なやりとりをしたいのが当事者も裁判所も望むところです。そんな中、先ほど述べたような「初回から弁論準備手続にする」という取扱いは、この望みに応じるものなのです。

 弁論準備手続にするか否かは、当事者の意見を聴いて裁判官が判断することになっています。裁判官が判断する明確な基準はわかりませんが、双方当事者に弁護士が付いていれば、初回から実質的な内容に入っても耐えられるので、裁判所も最初から弁論準備手続にしてもよいと考えるのではないかと思います。あとは事案の内容も関係するかもしれません。

https://avance-media.com/minji/2015100801

そういうケースがあるのか。それは知らなかったです*5
つまりは、最初の第一回口頭弁論はせずに、弁論準備手続きを行い、例えば争点整理をする、という事ですね。
この場合、裁判手続きの効率化、実質化を目指いしているようなので、いわゆる本人訴訟ではなく、代理人委任訴訟*6の弁護士同士の裁判手続きを、そう進行させる、という事らしいのですが。
裁判所から、その確認のために電話がかかってきた、と該当ブログでは記述されています。


でも、それは被告、原告の審議の力関係バランスの拮抗上、良いのでしょうかね。
該当ブログでも、チラリと「被告側が...」と記されていますが、そもそも最初の期日、通常は第一回口頭弁論のでの被告の擬制陳述が許されていて、被告は欠席し、答弁書で「ひとまず認否」する、というのは、被告が突然に訴訟を起こされ、準備が間に合わず、最初の参加日にはなかなか予定を合わせにくいので、そこはそういう流れでも構いませんよ、という部分ですよね*7
民事訴訟法 より。

(訴状等の陳述の擬制
第百五十八条  原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H08/H08HO109.html

故に、擬制陳述が許されるのは第一回口頭弁論で、以降、口頭弁論に参加できなければ、裁判に負けて、非常に不利な裁判命令*8が出てしまう事もあり得ます。
そういった被告が不利な状況のために設定されている経過を経ずに、次の段階となる弁論準備手続を行うというのは、ちょっと嫌な気がしますが。
裁判所は、元々、原告、被告、どちらの肩も持たず、実際には原告側がかなり悪辣であったり、逆に被告が悪い状況の原因である事が書証などから判明しうる状態になっていたとしても、本当にそうなのかどうかは確認しようとします。実際の状況が、裁可をくだすに十分かどうかを確認しようとする立場です。
それが、どちらの立場にも立たず、天秤を正しく働かせて、判決が現実の状況を正しく判断した内容となるようにする、裁判所の役割を正しく反映した行動則であるように思うのです。
勿論、実際の運用には、原告と被告にちゃんと配慮した、バランス良い運用を行うようにするのでしょう。けれど、実務上の状況としてどうなのか。
...ちょっと、気になりますね。これについて、裁判所の運用基準みたいなものを聞いてみたい気がします。、

*1:第一回は被告欠席が多い、起訴後の最初のものです。それではなく、二回目の方ね。

*2:裁判の推移によっては色々変わるので、違う場合もあります。ここら辺はあまり固定的に考えないように。各書面の連なりを見て行けば、経緯が見えてくるようになっています。

*3:最初に来る期日でもあるので、引用するブログでは、初回期日と呼んでいますね。

*4:状況はどうなっているのかは知りません。該当の裁判記録がどうなっているか、閲覧してみたいですね。

*5:こちらは法曹ではないので、勿論、そういう多様なバリエーションは知る余地が少ないのですが。

*6:つまりは、必ずしも本人が出席していない、代理人の弁護士が出席しているパターン。

*7:実際の条文見ると分かりますが、原告でもそれを行っても良いんですね。

*8:裁判決定による、当事者への法律的な強制力のある命令。民事訴訟裁判はこれを得るために行う、ともいう事が出来る。要は被告への強制力を持つ命令。