luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

専門分野を知らずに解説しちゃうと、勘違い野郎になるのだが。

私自身も、実はやってしまう事です。とはいえ、安易に、それをしない努力はしているので、流石に「無造作に発言している行動と一緒にして欲しくはない」のだが。

専門知識を要する分野で、不用意な発言をすると、自分の無知をさらけ出すことになりがちである。
例えば、もっと真剣にエロと向き合えよ! おっぱい当たる記事を読んだ感想 - えりかとたのしいくらし の記事で挙げられている内容。

1人1人千差万別な口腔内をよく観察しようとすれば、前のめりになることがある。
「あ、この体勢だと、もしかしたら今までも胸が当たってしまっていたかも……。」と気が付くことができたのは、就職してしばらくして、少し心の余裕ができた頃だった。不快を取り除くために、と思っていたのに、胸が当たることで不快に思った患者さんもいただろう。そう気付いて、とても落ち込んだのを覚えている。

http://ericca.hatenablog.com/entry/2016/05/18/122246

実際の医療行為と言うのは、患者さんの体への行為という事で、一般に医療者にのみ、認められた行為です。
一般に、人の体に何かを成すという事は、その行為に意味が無ければ、傷害罪もしくは、それ以上の罪の疑いが生じる刑法行為*1です。
医療者が患者の許可を得て、医療行為として正当な行為を行う、という定義に従う事で、違法性阻却の効果が生じ、一般の人が行うと刑法での違法行為になる行為が、違法性を問われない通常の行為になります。
それ故に、医療従事者は行為の正確性、正当性を重要視し、その時に性的な思考が入る余地はありません。というより、部外者が「何かにつけ、医療行為の何かしらの内容に性的意味を見い出そうとする」ので、医療従事者の中には、そういう話題に対して、非常に嫌悪感をもよおす人が多いです。
私は、看護師とお付き合いがあった時期がありますが、彼女との話題は患者の生存に関する重要な思い出話に終始し、そう言った話題は皆無でした。性的な話題が、外の人から持ち出されることに対して、大きな嫌悪を覚える会話はありましたが、その系統の話は、それだけです。
でも、この話題の中でも露呈したようですが、一部の人間には、そういったエロの文脈で、医療行為を語る人が居るのですね。非常に残念です。
医療行為と言うのは、時に人の命や健康状態に密接に関係する、緊張感にあふれる行為という事を、医療行為に妙な意味を見い出す人は忘れているのではないでしょうか。
はっきり言って、そんな事をしている余裕は無い、というのが実情であり、本質と外れた話題はしてくれるな、というのが本音なのではないでしょうか。

*1:人の身体保護の法益のために、刑法に違法と記載されている行為。詳しくは、各行為の構成要件を参照の事。