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luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

現実には、将来起こることを延々考え続けることは出来ない。

人工知能の課題として、「フレーム問題」というのがあります。
主な活動 – 人工知能学会 (The Japanese Society for Artificial Intelligence) に説明があります。
人工知能の話題: フレーム問題 より。

  • フレーム問題

1969年にマッカーシーとヘイズが指摘した(注1)人工知能研究の最大の難問です.

フレーム問題は,今からしようとしていることに関係のあることがらだけを選び出すことが,実は非常に難しいという問題です.

http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/whatsai/AItopics1.html

総ての関係ある事柄を選び出すことは、非常に難しいです。
で。これは人工知能だけの問題か、というとそうではなく、人間だって同じです。...起こりえる総ての事について、考えてたら、人間だって永遠に考え続けていることになってしまいます。
何でそうなっていないのか、というのは、要は経験や、その時に思いつく、例え確証バイアスに盲目的に従っているような内容でも、時間内に考え付く内容で思考を打ち切っている、からです。
故に、起こりえる「総ての事」を想定しての対策はあり得ず、「明文化された想定条件」を記載して、それに対して対策を立てる訳です。なので、想定外の責任を追及することは、できない、という事になります。
人に無限の努力を強いることはできないので、どっかで線を引いているわけですね。


相手には有限の時間しかなくて、そこで考え付く内容に対しての行動なのだから、それを明文化して、その範囲内でしか責任を問わない、というやり方になります。罪刑法定主義 - Wikipedia なんかは、まさにそういう内容です。
設定されてない内容については、責任は問われません。「考えついてなかった事」は、追求できないのです。


感情的になると、それを忘れて、起きた事について、「何でそうなったの?」と、事後に問うことになります。
「事前に条件設定して、その責任を問う」のではなく、「何も設定せずに、事後に起きたことを責める」のです。


相手を責めるときに、「言い訳ばっかり」と叱責するような言葉が出てくるときには、自分がそういう感情的な思考になっていないか、よく考えてみましょう。
「事前に条件を明確に設定していない」のであれば、それは「設定しなかった方の責任」であって、「行動しなかった方の責任」ではありません。


結構、そういう思考にハマっている方というのは、非常に感情的で、傍目から見てもキレがちな調子の悪い人に見えますが、本人は気付いていないことが多いです。
影で失笑されてたりもするので、他人に指摘されがちなら、注意したほうがいいですよ。嫌われます*1し。

関連リンク
主な活動 – 人工知能学会 (The Japanese Society for Artificial Intelligence)
人工知能の話題: フレーム問題

罪刑法定主義 - Wikipedia

*1:周囲から穏やかな性格の人が消えて、周りに、そういう人ばっかりしかいなくなってたりする。