luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

真に身の危険を感じた事のある人は、陰謀説なんて信じない。〜平和ボケの妄言〜

...最近、やたらと虚言で人を惑わす人が湧いているので、少し、この問題に触れておこうと思う。


無論、隠れたる企みである謀略がないとは言わない。商業的な闇カルテルや、ブラック企業の勤務者虐め、政治的なロビイスト運動による政治的圧力、統計数字の誇張、などは普通に存在するので、そういう内容であれば、納得する。*1


しかし、大抵の陰謀説プロパガンダが主張するのは、無責任で検証が甘い、いわゆるトンデモ説というものだ。はっきり言って非常に質が悪く、失笑する内容だが、ご本人は異様に感情的に主張する。
また、なまじ、それを正面から否定すると、今度は名誉棄損だとか言いだすので、非常に性質が悪い。
そのため、何か言いっぱなしでも、みんな放っておくのだが、それを認められている、と勘違いして、既に検証され、否定された内容を飽きもせず、テープレコーダーのように繰り返す。
...はっきり言って見るに堪えないし、聴くに値しない。相手にするだけ、無駄だと、みんなに思われているのに。


それを理解するために、本当の危険とはどういうものかを良く考えてみる必要がある。
例えば、エジプトで本当に起きている事を伏せるために、ジャーナリストに何が行われたかを考えてみよう。
ジャーナリストがよく利用する高級ホテルのヒルトン*2で、カメラなどの報道機材の没収が行われた。また、空港の税関で、カメラを取り上げられた例もある。多くのジャーナリストが拘束され、暴行を受け、アルジャジーラは、カイロオフィスを破壊された。
その中で、エジプトのデモ隊には、狙撃手が差し向けられ、人数は不明ながら、実在のブロガー等が亡くなっている。
また、親ムバラクの市民とされた人間は政府側の人間が混じっており、それは参加者が政府系IDを所持していた事で確認された。日本人もジャーナリストが暴行を受け、観光客でも連行されそうになった人が実在する。
秘密というのは、守られようとする時には、こういう徹底した方策がとられるのだ。どっかの呆けた陰謀論者が延々自説を展開できるほど、猶予をくれたりするものではない。放置されている事は、すなわち、陰謀の存在ではなく、非存在を証明する。真実を伏せておくなら、延々と真実を語っている人を放っておくほど、権力者は甘くないのだ。
過去、ベトナムで行われた、『Long Range Reconnaissance Patrol』なんていう作戦もありますが、これなんか、参加者の死因すら伏せられて、お墓がない、遺体がない、という状態*3だった訳です。死んだ事すら分からない事にされていたりするのが現実なのに、よく呆けたこと言ってますなあ、と、こちらは感じる訳ですね。

関連リンク
911陰謀論 - Skeptic's Wiki

なお、「陰謀論を否定するかしないか」ということと、「アメリカのイラク侵攻を支持するかしないか」は別問題であり、切り離して考えなくてはいけない。陰謀論は否定するが、その後のアメリカ合衆国政府の対応は支持しない、という立場をとることには何も問題はない。

911同時多発テロ事件についてアメリカ政府の取った対応には、追及されるべきさまざまな問題があったのは事実だろう。しかし、「自作自演説」のようなトンデモを持ち出すことは、追及の矛先をそらす結果になり、真に追及されるべきことが追及されないままになりかねない。911陰謀論の出現をほんとうに喜んでいるのはアメリカ政府そのものなのかもしれない。

http://sp-file.qee.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%A3%B9%A3%B1%A3%B1%B1%A2%CB%C5%CF%C0

参考書籍
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*1:会社都合による解雇を自己都合にさせ、脅迫して黙秘させた事例など、このブログや、いろいろな処で触れている。例えば、『中小企業いじめの実態の告発、でも契約書はやっぱり作ろうね。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック』とか。

*2:あの、パリス・ヒルトンの経営するホテル。

*3:任務中行方不明:MIA, Missing in action。『戦死 - Wikipedia』も参考に。