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健康への神経過敏が生む、不健康への道。

まず最初に、『http://ameblo.jp/moonsun3/entry-10749478352.html』の逸話を読んでみてください。
これは、ホメオパシーにハマった、とある方の逸話です。

彼女は都内の某社に勤務していて、正社員として福利厚生面では恵まれていますが、給与がとびきり多いわけではありません。
AさんはBさんのことを特別変わった人だとは思わなかったと言います。しかし交際をはじめた当初、化学調味料を嫌う態度に違和感を感じたそうです。

外食をしていると、「舌がぴりぴりする」と言うのです。たしかに化学調味料を使用している飲食店は多いわけですが、Aさんには「ぴりぴりする」ほど異常な感覚はなかったそうです。

化学調味料嫌悪は、無添加、無農薬志向、マクロビオティックとも関係していたみたいで、Bさんは実家から送られてたきた加工食品を「体に悪いものだから」と捨てていたそうです。

後にAさんが病気をしたとき、Bさんは「医者に行くより……」とレメディを勧め、これによってAさんはBさんがホメオパシーの信奉者であることを知りました。

http://ameblo.jp/moonsun3/entry-10749478352.html

...まず、化学調味料の話が、非常に特徴的ですね。


以前、一時期「中華料理店症候群」として騒がれた件がありました。中華料理に、化学調味料が大量に使われた結果、いろいろな症状が出る、として話題になりました。
確かに、かなり大量に化学調味料を使用すると、舌が麻痺したような感じになったり、いろいろな症状が出る事はあるようです。
しかし、一般に料理に使う程度の、入れ過ぎではない普通の化学調味料で、顕著な症状を示す事は実際にはない*1という話で、料理店自体が、化学調味料を大量に使いすぎると、結局美味しく感じられない事もあって、この話題は、今ではさほど話題にされる事はなくなりました。
また、個人経営の味にこだわる、そして、それなりに値段が高めの料理を出す店ならば、他の食材で味を富ませることもできるでしょうけど、いわゆる外食産業化した、安めの値段で料理を供する店と言うのは、やはり、高い食材をふんだんに、という訳にはいかないので、ある程度は化学調味料を使わざるを得ません。
値段と、お客さんの評判等をトレードオフにかけて、現在では使う量を考察している、という状況でしょうか。


...という訳で、例に出てくるBさんは、実家から送られてきた加工食品を捨てることができる、恵まれた経済状態にあることから、自己の要求である「化学調味料忌避」を存分に「楽しめた」訳です。


ここで皮肉めいて、「楽しめた」と書くのは、隠れた意味で、「そういう恵まれた経済環境にあり、派遣や低賃金労働者が、自分の事情から、そういう選択肢がなかったら、多分、そういう行動はしていない*2。」という、私の視点を含めています。


ホメオパシーが、地方の困窮している地域には、あまり流行ってはおらず、都市付近のお金に余裕がある地域に流行っている、という状況を観察しての、私の皮相的な視点、と捉えてもらっても構いません。


...ちなみに、外食産業などで食事をすると、確かに化学調味料っぽい味に遭遇しますが、そもそも、化学調味料自体があまり味に特徴がある訳ではないので、他の食材と区別できません*3


...実際、彼女の行動を見るに、この行動は明らかに「フード・ファディズム」という名前で表される行動に類似しています。
これらについて書かれた本は、下記にて紹介しましたが、こういう行動が、最終的にはホメオパシーに傾倒し、医療忌避に走り、医療機関、ワクチンなどの医療行動への感情的な反発に繋がっていったのは、なかなか典型的というか、非常に当たり前な行動経路のような気がします。


とすると、この類型である、自己中心出産*4とか、シュタイナー教育*5とか、やたらと自然塩に拘ったり、異様に保存料*6フリーに拘ったりするのも、何かしらの悪影響を自己、および他者に及ぼしそうな気がします。


日本人は、あまりに食品に関して、ゼロリスクを要求しがちだと言います。...彼女の例が、少数派であると良いのですが...。

関連リンク
フードファディズム - Wikipedia


中華料理店症候群 - Wikipedia

二重盲検法によるプラセボを対照としたMSGの大量投与試験では中華料理店症候群は発生しなかった[5][9][10]その上、料理にMSGを加えた場合でも症状は発生しなかった。

科学的検証の結果は中華料理店症候群は一つの原因によるというよりは、食事後に起こる様々な病的症状につけられた呼称であり、症状の原因は事例ごとに異なっていると考えられる[1]。

その後、JECFA(ジェクファ、国際連合食糧農業機関 (FAO)と世界保健機関 (WHO) の合同食品添加物専門家会議)、米国食品薬品局 (FDA)、ヨーロッパ食品情報会議 (EUFIC)、欧州連合食品科学委員会 (SCF) などで議論・調査がなされたが、グルタミン酸ナトリウムの摂取によって中華料理店症候群が発生するという根拠は見つからなかった。そしてJECFAはグルタミン酸ナトリウムの一日の摂取量に上限を定める必要はないと決定した[5]。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E6%96%99%E7%90%86%E5%BA%97%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

うま味調味料 - Wikipedia

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*1:レアな場合や、アレルギーのような場合は除く。人間の体組織は個人によって異なるため、稀に違った傾向を示す人がいたりすることも含めて。

*2:流石に食うに困ったら、捨てないでしょ。最後に食べる、という選択はするかもしれないが。

*3:まあ、舌が鈍感なのかもしれませんが、敏感と言っている人間も、確証バイアスに結構支配されていたりするので、例外を除き、ほとんどが目隠し官能試験では、識別に失敗するはずですよ。

*4:自宅出産や、助産師志向?、自然?出産、贅沢施設での出産について、この名称の提起がされています。まだ考察中ですが。

*5:潜在的ホメオパシーと繋がりがある場合が多いようですね。基本的に狂信的な傾向が強いです。なお、幼児教育については、どうも、その人に対する長期的な影響力は過大評価されている、というのが研究結果として出ていますね。ただし、トラウマ的な悪影響の要素は除いての話です。

*6:実際の保存料が体に悪影響ないように、いろいろ考察されてたりするにも関わらず。