luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

捕鯨に関する話は、何時しか、双方ともに感情論になっているのだ。

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[捕鯨問題の歴史社会学―近現代日本におけるクジラと人間]
捕鯨に関する話は、最初は違うのかも知れないが、いつしかプロパガンダ論になっていき、鯨を食べた事のない若い世代には、それこそ、よそごとの話題か、自身のナショナリズム*1に訴えかけるリトマス試験紙みたいな存在になってしまっていると思う。
この書籍は、どちらも自身の都合の良い内容しか話さない、捕鯨側(捕鯨の推進?側)、反捕鯨側(感情的なネガティブイメージの喧伝)の論を聞いたことがある人なら、あっと驚くような内容が書かれている。
しかし、もはや、鯨肉も過去のもの。実際に、ここに書かれている内容を検証する意欲がわかない、というのが本音*2
よって、現在、主張し合っている双方ともに、あんまり懐疑的に眺めていたい、という人が読む事をお勧めする。反捕鯨だけでなく、調査捕鯨側にも、それなりに嘘がある事に気がつくから。


まあ、私個人の感想は、鯨に関しては、双方ともにネガティブキャンペーンを繰り出した揚句に、振り上げた拳を納める事が出来ずに、にらみ合っている、何か痛い集団にしか見えなくなってしまった。

参考リンク
かなり内容を書いてしまっているので、書籍を読むのであれば、参照はしない方が良い。→『捕鯨問題の歴史社会学―近現代日本におけるクジラと人間: 戸崎将宏の行政経営百夜百冊
捕鯨問題 - Wikipedia

参考リンク(別書籍)
残念だ、著者は適任ではなかった

第4章「だれが捕鯨を進めているのか」で、捕鯨が既に自立した産業としては破綻しており、権益を守りたい官庁と業界の癒着で維持されていることを的確に指摘。鯨肉に蓄積された有毒物のもたらす健康被害の可能性と合わせ、果たして捕鯨継続が本当に日本の国益に適うのかと問いかける。捕鯨推進派はもちろん、反対派もあまり口にしない著者の指摘は、説得力があり読むに値するものだ。
が、それ以外は残念ながら全くダメで、そもそも日本人に対し、鯨が野生動物なのかそれとも海洋資源なのか、と二者択一を迫るのは、全く実効性にかける拙劣なやり方である。

http://www.amazon.co.jp/review/R27HFHCFLHI0ST/ref=cm_cr_dp_perm?ie=UTF8&ASIN=434498031X&nodeID=465392&tag=&linkCode=

別の書籍の感想文だが、実は結構ためになる内容を書いているのに、他の部分の記載がダメダメなおかげで、読んでもらえない書籍の話が書いてある。

参考リンク(ワシントン条約関連、日本って結構不法な国)
http://d.hatena.ne.jp/semi_colon/20100323/p1

参考リンク(水産資源関係の日本側の嘘)
ワシントン条約の報道において、日本のメディアは国民に何を隠したか - 勝川俊雄公式サイト
ワシントン条約の勝者は中国とリビアで、敗者は日本と持続的漁業 - 勝川俊雄公式サイト

*1:まあ、日本憎しの集団も存在するけど、日本だって、捕鯨に関しては、実は嘘も言っている。ちなみに、イルカに遺伝子的に似ているのは、確か牛とか豚。『http://d.hatena.ne.jp/semi_colon/20100128/p1』等を参照。

*2:鯨肉は、あまり積極的に食べたい食材ではない。少なくとも、今手に入る内容としては。