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これは、報道側バイアスな記事だと思います。

TPPと「食の安全」問題をリンクさせてはいけない - 松永和紀blog』より

毎日新聞に18日に掲載されたインタビュー記事「開国是か非か:TPP・識者に聞く 雪印メグミルク社外取締役・日和佐信子氏」。ここでの発言は、筋が通っていない。私は、「記者が都合の良い部分を抜き出してつなぎ合わせた記事で、日和佐さんの主旨を反映していないのではないか」と疑っている。実際のところ、どうなのだろうか?

最後の方の「消費者の農業に対する意識の変革」への指摘は、私も大賛成。だけど、「食の安全」の話とTPPは無関係だろう。

http://blog.goo.ne.jp/wakilab/e/6fcdc8a3089f6ead4609fe5d8e5b6f57

該当の記事でも述べられているが、そもそも「農薬を過剰に使った穀物やBSE(牛海綿状脳症)のリスクが残る牛肉といった輸入農産物」というのは、繰り返されるデマ、またはプロパガンダで、実際の実情とは異なる。
以前、私はいろいろな処で繰り返される、純国産神話みたいな話に惑わされ、素朴に国産のものが良い、と信じていた。しかし、実際には国産と外国産を分けるものは、時に基準の違い*1はあるが、基本的に違反食品は検疫ではねられるし、それこそ『http://d.hatena.ne.jp/ohira-y/(ohira-y)』なんかを読んでいると分かるが、何気に日本の農家も、かなりトンデモだったりする。最近では、『http://d.hatena.ne.jp/ohira-y/20101030/1288405870』という話*2もあった。
また、私は口蹄疫の際に、かなり詳しく知ったのだが、食肉に関しては品質基準を保持する仕組みが既にあり、その基準を保持する仕組みが、輸入、輸出の相互関連する仕組みとして存在している。
FAO(国連食糧機関)の情報を検索してもらえば、実際、かなり厳しい基準が設けられている事が分かると思う。
こういう話は、いわゆる国内農業を保護する、いわゆる非関税障壁として語られることが多く、外国産、国内産、どちらが危険で、どちらが安全という偏った話で語られる話ではない。基準を満たさないという意味合いでいえば、どっちにも似たような話がある。

食の安全確保は、関税問題とは関係がない。TPPに参加するしないにかかわらず、別の枠組みできちんと要求すべき事を要求し、達成すべき話だし、既に実際に行われている。経済的な視点での協定の議論に、まったく違う次元の話をリンクさせて語るのは問題だし、そんな論法は国際的には通用しない、と私は思う。

http://blog.goo.ne.jp/wakilab/e/6fcdc8a3089f6ead4609fe5d8e5b6f57

非常にとてもマトモな主張だと思うし、私もそう思う。今後、下記のような報道も増えるかと思うが、正しい情報で、正しい政策評価をしていきたいものだ。それが、最終的には正しい行動に繋がるのだから。

これから、農協などが同じ論法でTPPに反対して、消費者の理解を得ようとするだろう。でも、効果は薄いと思う。少なくとも、日和佐さんのインタビュー記事に対しては、消費者運動をしている人たちからも「どうしちゃったの?」という声が出ている。

http://blog.goo.ne.jp/wakilab/e/6fcdc8a3089f6ead4609fe5d8e5b6f57

こういう食品に関する不安心理につけこんだプロパガンダは、「フードファディズム」と呼ばれる。以下に参考書籍を載せたので、もし興味があるのであれば、読んでいただければ幸いである。
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関連リンク
あふれる情報に振りまわされないためには - 夜食日記

*1:例えば、ヒジキは外国基準では完全に基準値違反になる。当然ながら、日本基準では範囲内になる。非常に興味深いと思うでしょ。これは、いろんなところのブログ、例えば『食品安全情報blog(uneyama)』で繰り返される話なので、該当のブログを見ていただければ良い。

*2:これは安全基準と言うより、販売サイトの食品表記上のトンデモだが。